アトラスでも何度か紹介している都市伝説の妖怪に、神戸の六甲山付近に出没するという「牛女」がいる。
一般的に頭が牛で、体は人間の女性だとされている。災いを予言する人頭牛身の妖怪「件(くだん)」のように予言をする、凶暴で人を襲うなどの噂がある。また、六甲山の山道に出る牛女は逆に顔が女、体が牛で、峠を走る車やバイクを追いかけてくるとされており、これに出会うと高確率で事故に遭うと言われている。
この牛女は一時期若者達の間で広く噂され、関西圏では「牛女が出る」と言われた峠道にわざわざ出かけていくものも現れるようになった。
一部では「牛女はある寺に住んでいる」とする噂もあり、なぜか牛女が住んでいるとされた西宮の鷲林寺には夜ごと肝試しの若者達が集まるようになった。しかも噂では「寺の荒神祠を3回まわると牛女が出てくる」「八大竜王を祀った洞穴に住んでいる」とあったため、境内や噂の場所で大声を出したり騒ぎ回るなど、迷惑行為をはたらく若者が増えに増えた。
たまりかねた寺は、やむなく境内や噂のあった場所に「牛女は引っ越しました」との貼り紙を出した。まるで冗談のような方法だが、意外にもこれが効果的で、以降深夜に寺を訪れる若者は激減したのだとか。
後に、この寺に現れると言う噂もデマと言うことが判り、騒動は鎮静化したという。勿論、現在でも噂の場所だからといって騒いだりしてはいけない事に変わりはない。
なお、ATLASではいままでに何度か牛女を題材にしたアーカイブがある。六甲山の牛女は3種類、「牛の首」伝説と「牛女」の関連性、六甲山の妖怪「ハッスルじいさん」「牛女」 、牛女の暗示、新潟北陸地震、「牛女」が金沢で目撃された、大震災の前兆、「牛女」を見た人々、牛は地磁気を感知して地震を予知する、熊本で広がる「牛女」の噂、などである。
(山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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