徳島県徳島市の中央にそびえる阿波地方の、象徴的な山が眉山という山である。この山の麓にある防塵蛇の奥の宮には、奇妙な子供の幽霊(ないしは妖怪)が出ると言われている。
氏子である某老人によると、この神社の奥の宮には宿泊施設が隣接しており、関係者が泊まると丑三つ時に子供の霊が押し入れから四つん這いで這い出てくるのだという。
顔を下に向けたまま、畳の上に這いつくばってにじり寄ってくるのだとか。
とくに宿泊客に害を及ぼすことはないようだが、眉毛のない不気味な面相と奇怪な動きにみな恐怖を覚えるそうだ。
なお、この奇妙な子供の霊は昭和の頃から現れ始めたという。あまり歴史が古くない妖怪だが、「眉がない」などの外見的特徴は時代の変遷によるものと言えるのかもしれない。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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