はるか昔から存在し、正体も未だに不明とされる未確認生物が存在する。その名は『太歳』。古代中国の文献にも登場し、近年でも発見の報告がされるものだ。
『もの』と称したのには理由がある。この太歳はとてつもなく奇妙な外見をしているからだ。手も足も何もない「巨大な肉の塊」が太歳の姿である。
種類によっては表面に無数の目が存在するとする記述もある。表面の色は基本的には黄色だが、他にも茶や灰、白、黒など様々。驚異的な再生能力を有しており、表面に傷がついてもすぐに内部から液体がにじみ出て再生してしまうという。
中国では「肉霊芝(肉万年茸)」とも呼ばれており、中国の地理書である「山海経」には牛の肝臓に似て一部を切り取っても元に戻るとの記述があり、歴史書である「史記」には始皇帝が不老不死の薬として求めたと記されている。
ちなみに太歳の肉は芳香を放ち非常に美味であるという。一見良いことずくめの存在に見える太歳だが、普段は地中を移動しており、凶事が起こるとされる場所や方角の地下に出現すると言われていた。なので、太歳を掘り当てると不幸が訪れるともされていた。
このように縁起物とも凶兆ともみなされてきた太歳は、近年でも発見されて話題になる。2005年9月、中国広東省に発見された太歳と思われる肉塊は中山大学生命科学研究所にて研究がなされ、傷をつけると粘液を出して自己修復を行い、水をかけると吸収する性質を持っていたことが明らかになっている。
また、2008年に陝西省で発見された太歳は、発見当初は白い球状の塊であったものが2日後には茶色く平べったい形に変形していたという。また2015年には遼寧省で総重量が70キロに及ぶ巨大な太歳が発見され、売りに出されるという事態も起きている。
この太歳の正体については諸説あるが、新種の変形菌ないしは真性粘菌ではないか、とする説がある。粘菌は変形体と呼ばれる体が移動しながら微生物を摂取するという動物的特徴と、胞子による繁殖という植物的特徴を兼ね備えた生物である。
太歳の特徴がこの粘菌に当てはまるとされているのだ。他にも、地中のバクテリアが巨大なコロニーを形成したものではないかとする説もある。
果たして、太歳の正体は何なのか。中国の研究者たちは科学が進んだ現在ならば、太歳伝説の真実に迫れるのではないかとして、太歳の出現を心待ちにしているという。
なお、不老不死に関するアーカイブは他にも「日本の大学の記者会見に400年前の江戸っ子が乱入」
「カーツワイルの予言、人類はいずれ死を克服する」「40歳若返る薬が実在する」「キアヌ・リーヴスは100年以上前の写真に写っている」「さまよえるユダヤ人、キリストが再来するまで死ねない男」「タモリ仙人伝説、夕食を食べないから歳をとらない」「藤田紀子は20年前から歳をとってない」「始皇帝と徐福が憧れた不老不死 」「加藤諒は不老不死だけど高血圧」「プーチン大統領不老不死伝説」「鳥越俊太郎は不老不死か?終戦時に20歳だった? 」などがある。
※写真はYOUTUBEからのキャプチャ
(飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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