レムリア大陸と言えば、オカルトではお馴染みの仮想大陸の一つ。
メソポタミア文明よりも遥かに昔、およそ5000万年前に存在したと言われており、そこにはレムリア人という人々が暮らし、高い精神性や技術を有した超高度な文明が展開されていたと言われている。
しかし、そのレムリア大陸もすでに消失、その理由にはアトランティスの侵略、地殻変動による大洪水、高い知性から悪に転じてしまった末に火山の大噴火によって滅んだ、など様々な説が唱えられている。
きっかけとなったのは、後年のオカルト思想、スピリチュアリズムに多大な影響を及ぼしたヘレナ・ブラヴァツキーの著書『シークレット・ドクトリン』(1888)である。
本書において、レムリア大陸はかつて太平洋上に存在しており、現在のユーラシア大陸と同程度の面積を誇っていたという。正確には、レムリア大陸に関しては「レムリスの世界」(亡霊の世界)と称されており、これがレムリアの名の由来にもなっていると言われている。
この説は多くの神秘学者たちからの支持を受け、その後エドガ・ケイシーやルドルフ・シュタイナーといった人物が、リーディングによってその存在を肯定した。
また、レムリア人は精神性に重きを置いた人々であり、愛と調和の中で生活を送っていたという。テレパシーや超能力を使って文明を築き上げ、宇宙の知的生命体との交流もあったとのこと。

大陸滅亡後、レムリア人は世界に散ったが、カリフォルニアの聖地シェスタ山のに逃れ地下都市を建設したといった伝説や、一部が日本に流れ着いたために彼らの血を引く日本人が多く存在している、といった説も見られる。
なお、ムー大陸の提唱者であるジェームズ・チャーチワードは、ムー大陸の起源はレムリア大陸であり、レムリア大陸が地殻変動を繰り返した結果ムー大陸になったと主張した。
レムリア大陸は、どちらかというと東洋的な神秘性を兼ね備えたものとして認識されている。一方、幻の大陸として著名なアトランティス大陸は、そのルーツが哲学者プラトンによるものである事情から、こちらは西洋的な思想を有したものといえる。これによって両者を対比する見方もあるようだ。
さて、この「レムリア大陸」であるが、実ははじめからスピリチュアル的な思想の下で提唱されたものではない。レムリア大陸がおそらく史上初めて提唱されたのは、動物学の分野においてである。
1874年、イギリスの動物学者フィリップ・スクレーターが、マダガスカル島固有種であるキツネザルの化石がインドで発掘されたり、その近縁種がアフリカやインドなど広範に生息していることの説明として、マダガスカル・南インド・マレー半島を覆う巨大な大陸が存在していたのだと主張。
インド洋にあったと提唱されたこの大陸こそがレムリア大陸であり、レムリアという名前はキツネザルの学名である「レムール」(Lemur)に由来している。当然ながら、これは矛盾に辻褄を与えるために提唱された仮想の大陸であり、現在では地殻運動による大陸移動説が定説となっているため否定されたものとなっている。
スクレーターとブラヴァツキーそれぞれのレムリア大陸の提唱は、10年前後ほどの差しかない。しかし、位置がインド洋と太平洋とで違っており、またレムリアという語の由来についても異なっている。ブラヴァツキーが、動物学で提唱された仮想の大陸について周知していたかは不明であり、それから着想を得て独自のレムリア大陸を構築したのかどうかも定かではない。
ただ、現実の科学的分析で否定された大陸が、像を変えてオカルト・スピリチュアルの中で現在もなお神秘的に語られているというのは、なんとも珍しいことのようにも思える。
【参考記事・文献】
・https://sekaihiroshi.com/lemuria/
・https://amaterasu49.com/media/spiritual/3148/#head-37e15f9cdc88a8a1786c5c713242129c
・https://www.sugarnspice.jp/remuria/#index_id1
・https://reksisiroutokenkyuka.com/remuriatairiku/#toc1
・https://lani.co.jp/spiritual-58708
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【文 ZENMAI】
画像 ウィキペディアより引用
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