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近代兵器や怪獣が登場…「仮面の忍者赤影」誕生のきっかけを生んだ二つの映画とは

仮面の忍者赤影は、『魔法使いサリー』や『バビル二世』『三国志』などで知られる漫画家・横山光輝作の忍者漫画。特撮テレビやアニメ・劇場映画など映像化もされており、実写版は1967年からおよそ1年に渡って放送されていた。

漫画での連載当初は「飛騨の赤影」というタイトルだったが、実写版にて「仮面の忍者~」に変更、のちに漫画のタイトルも実写版に合わせて変更された。

原作漫画は、赤影とその弟分である青影の2人の忍者と、敵対する悪の忍者集団との戦いが描かれたものとなっており、いわゆる時代劇バトル漫画として全50話連載されていた。しかし、本作がこんにちに至って語られるようになった大きな要因は、特撮となった実写版である。

実写版における「赤影」は、”豊臣秀吉がまだ木下藤吉郎と名乗っていた時代”という設定がありながら、主人公は体一つで宙を舞い、光線やミサイルといった兵器が登場、さらには悪の忍者集団がUFOや巨大ロボを操るという時代背景を全く無視したものと変貌している。

このことから、こんにちのサブカルチャーにおいて忍者を題材とした作品に無茶苦茶な演出などが見られても「忍者なら仕方ない」といった風潮が見られるようになったのには、この「赤影」の影響が大きかったとも考えられている。

また、このような突き抜けた演出の傾向は徐々にエスカレートしていき、特に第3部からは敵忍者が「怪忍獣」と呼ばれる怪獣を使役、果ては怪獣に変身するなどといった要素が盛り込まれていた。このように、怪獣が用いられるようになった最大の要因は、放送時期がウルトラQやウルトラマンなどによる空前の怪獣ブームに湧いていたからだと言われている。

このような実写化が誕生したきっかけは、ある二つの映画の存在にあったという。それは、『大忍術映画ワタリ』(1966)と『海竜大決戦』(1966)だ。

 

「ワタリ」は、漫画家・白土三平(しらとさんぺい)原作の漫画作品であり、映画では「大忍術映画」というフレーズが加えられた。SF時代劇となっている本作は人気の高い作品でもあったが、実は白土がこの映画の試写を鑑賞後、その出来映えに激怒したという逸話が残っている。

シリアスな展開を売りにしていた原作が、ファミリー向けに改変されたことに納得がいかなかったことが原因であったらしく、そのせいもあり続編企画も頓挫する羽目になってしまったそうだ。

もう一つ、東映初の怪獣映画と呼ばれる『海竜大決戦』(1966)も忘れてはならない。本作は、東宝の「ゴジラ」や大映の「ガメラ」と異なり、なんと時代劇に怪獣を登場させるという驚くべき作品となっている。

この作品の中で、蝦蟇(ガマ)の妖術を使う自雷也と、昇竜の術を使う大蛇丸との決戦シーンがあるのだが、ここで登場したガマがなんと赤影にも「千年蝦蟇」として登場し、それどころかOPにはこの海竜大決戦でのシーンがそのまま使われているという。当然、作中での着ぐるみも流用であるが、「赤影」での蝦蟇は、鼻先の角や臀部のトゲが省かれているとのこと。

これらに作品は、SFチックな時代劇、そしてそこに怪獣が登場するという世界観を生み出した、画期的な作品として語り継がれている。実写「赤影」が、この「ワタリ」と「海竜大決戦」の”成功”を下敷きに、誕生するに至ったことは間違いないだろう。

【参考記事・文献】
https://sfx2012.hatenablog.com/entry/2024/08/14/164045
https://ameblo.jp/damuga2015/entry-12627093042.html
https://dic.pixiv.net/a/%E6%80%AA%E5%BF%8D%E7%8D%A3
https://plaza.rakuten.co.jp/djromanesque/diary/202206240000/
https://ameblo.jp/damuga2015/entry-12627093042.html

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【文 黒蠍けいすけ】

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