1969年、ジョージア州のある日の夜、のちに米国大統領となるジミー・カーター(2024年12月29日に100歳で没)は、松林の向こうを見上げた際、月のように明るい、動く球体を目撃。
彼はリアリーの地元ライオンズクラブの外に立っており、そこで演説をする予定だった。しかし、地元の政治的な話題はすぐに彼の頭から消えた。
その球体は「遠くからこちらに向かって動き、止まり、部分的に遠ざかり、戻り、そして去っていくように見えた」「最初は青みがかっていたが、その後赤みがかった光を放っていた。固体ではない」と彼はのちに語った。彼はそれを「今まで見た中で一番衝撃的(darndest)なものだった」と語った。
カーターがUFOに遭遇したことは、彼の大統領時代の冷静な分析とそれ以降の注目すべき人道支援活動の間に挟まれて、彼の死亡記事のいくつかの一節として現れるかもしれない。そして、すべての政治家と同じように、彼は在任中も退任後も、成功と失敗で評価されるべきだ。
しかし、この話は単なる面白い脚注以上に、彼が人間的にどのような人物であったかを知る上で重要なことのようだ。
私たちは、未知なるものに驚嘆することのできる指導者の存在を忘れかけている。だがジミー・カーターは、大統領在任中に国が直面したであろうあらゆる問題に対して、ホワイトハウスにいる前も、在任中も、そして在任後も、人生の謎について率直に考察。彼はそのことで記憶されるべきである。
カーターは、自身のUFO目撃談を恥ずかしがることはなかった。ジョージア州知事を務めていた1973年、彼は国際UFO事務局に目撃談を記録した報告書を提出。のちに彼は、自身の遭遇後、同じような体験を報告した人を二度と馬鹿にすることはないと語っている。
彼の心の広さは、ジョージア州の大学、アメリカ海軍兵学校、そして後に原子力潜水艦の研究で受けた科学的訓練に根ざしていた。ただし、カーターは何らかの物体がUFOかもしれないからといって、即それが地球外生命体であるとは限らないと主張していた。
結局のところ、彼は自分が見たものは、説明のつかないものではあるが、人工的なものである可能性が高いと信じていたようだ。
とはいえ、この遭遇は何年も彼の心に残った。1976年の選挙戦では、大統領としてUFO関連文書をすべて公開すると公約。いくつかの証言によれば、当選後、彼は実際に当時のCIA長官ジョージ・H・W・ブッシュと実際に会い、その要求をした。会談で何が語られたかどうかは別として(少なくとも大統領という公式の立場としては)、以降、カーターがUFOについて言及することは二度となかったようだ。
彼は後に、そのような情報を公開することは国家安全保障の利益を損なうことになるとアメリカ国民に語っている。
しかし、カーターのUFOへの関心が完全に消えたわけではなかった。1977年、NASAはカール・セーガンの協力を得て、ボイジャー宇宙船にさまざまな国や文化の挨拶や音楽を録音した黄金のレコードを搭載し、深宇宙へと送り出した。
その際、カーター大統領は次のようなメッセージを送った。
「これは遠く離れた小さな世界からの贈り物です…私たちはいつか、直面している問題を解決して、銀河文明の共同体に加わることを願っています。この記録は、広大で素晴らしい宇宙の中で、私たちの希望と決意と善意を表しています」
彼の後継者の多くがそのような言葉を使うとは考えにくい。UFO目撃に正面から取り組もうとした大統領は他にいない。クリントンは、何か証拠があれば国民に伝えると述べたが、実際には伝えなかった。
ジョージ・W・ブッシュは、深夜の司会者ジミー・キンメルに、そのような情報開示は「あなたを軌道に乗せるかもしれません」とジョークを飛ばした。オバマは、宇宙を完全にあきらめたようで、基本的にNASAへの資金提供を停止した。トランプは宇宙軍を創設したが、宇宙探査ではなく国家安全保障を目的としていた。UFOについてトランプは「私は信じていないが、何でも可能だ」と言っていた。
カーターの未知への興味は、ホワイトハウスを去った後もずっと長く残っていた。1994年には、ボイジャーが地球に送り返した画像を題材にした詩「Considering the Void」を発表。
“夕暮れ時の空の魅力、そのなだめるような忍耐力…私たちの天の川のスカイスケープが、そのきらめく円盤の中に無限の太陽(あるいは千億の太陽)を抱いているのを見るとき…私たちのこの銀河系が、私たちが天空と呼んでいるものの中の多数の中の一つであることを知って、私は悩む。悩ましい”
彼が宇宙に手紙を送ってから20年近く経った今でも、「虚しさ」は彼を悩ませていたようだ。
もし彼が宇宙の広大さに悩まされたとしても、それは少なくとも、彼がそれを理解しようとする意志を持っていたからであり、それは指導者として賞賛されるべきものであろう。
その第39代元アメリカ大統領ジミー・カーター、2024年12月29日に生まれ故郷ジョージア州プレインズで100歳の偉大な生涯を終えた。
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【文 ナオキ・コムロ】
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