現在、NHKで放送されている大河ドラマ「西郷どん」がなかなか視聴者の間で好評だ。アトラスでも過去に関連記事を掲載している。「大河ドラマ・西郷どんの出演者に降りかかる呪い」「島津久光役に関するシンクロニシティー」「Wonder Woman、アナ雪、西郷どんで進むジェンダーボーダレス化」「薩摩藩には、肝練りと言うロシアンルーレットがあった」などが人気のアーカイブである。
2018年1月17日、同番組の描写の中で興味深いシーンがあった。
西郷吉之助(隆盛)の祖父が亡くなり、それから2ヶ月後に父・吉兵衛が亡くなり、母親・満佐も病気になってしまった。すると、吉之助の新妻である須賀から「1年間で2人身内が死んだ場合、3人目の死者を呼んでしまうので、代わりに人形を墓に埋めよう」という会話がなされたのだ。
正直、筆者はこの迷信に関して初耳だった。実際に、幕末の薩摩藩においてこのような迷信があったのであろうか。もし読者の方で詳しい方がいらっしゃったら、ぜひアトラス編集部までご一報をいただきたい。
墓に人形を埋めると言う行為は、結婚をせずに死んだ若い人のために花嫁人形を埋めるという青森県の習慣と似ている。これは、花婿人形の場合もあるらしく、民俗学では「死後結婚」と呼ばれるものの一種である。
「死後結婚」には架空の配偶者を描いた絵馬のバージョンもある。ムカサリ絵馬と呼ばれるものであり、これまた主に東北に残っている習慣である。(ムサカリ絵馬と記述している文章もあるが、これは誤記であると言う)
他にも、〇〇になると人が死ぬ、〇〇をすると人が死ぬという迷信は各地に多い。
「家を建てると身内が死ぬ」「家を改築すると身内が死ぬ」「赤ちゃんが生まれると身内が死ぬ」「二人目の赤ちゃんが生まれると身内が死ぬ」いずれも科学的根拠のない単なる迷信であるが、筆者は家を建てたときに、妻の祖母を亡くしている。
このような不吉な迷信は当たってほしくないものだ。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像『NHK大河ドラマスペシャル るるぶ 西郷どん (JTBのムック)』