スピリチュアル

実在した魔術結社「黄金の夜明け団」

ファンタジー系ゲーム等の創作の世界では魔術師のギルドや秘密結社が登場する。魔法や魔術師という想像上のものを扱っているため、当然架空のものと思いがちだが、現実にも魔術を探求する結社が幾つか存在していた。

有名なものが1888年にロンドンで結成された「黄金の夜明け団」だ。

黄金の夜明け団はW.W.ウェストコット、マグレガー・メイザースらによって結成された魔術サロンのようなもので、当時欧州で人気だった神秘主義思想を求めて多くの人間が加入したという。

例えば後にノーベル文学賞を受賞するW.B.イェイツや20世紀最大の魔術師と呼ばれたアレイスター・クロウリー等が団員になっていた。

黄金の夜明け団は3教団11階の位階制度が設けられており、魔術的叡知を得ることによって上昇していったという。

しかし、教団にメッセージを送る「未知の上位者」との交信ができる人物がウェストコットのみであった事や、位階の上昇も感覚的なものだったらしく、後に内部で対立が起きてウェストコットが離脱したり、メイザースが除名された後に別の魔術結社を立ち上げたりしている。

その後も内部分裂は続き、詐欺事件に団の名前を語った詐欺事件が発生したことで解明を余儀なくされる等の紆余曲折を経て解散となったとされている。

(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 ウィキペディアより引用