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【閲覧注意】戦前の日本に「一つ目小僧」、実際に生まれていた!

これまでATLASでは「心霊スポットに現れた一つ目小僧」、また「神奈川県某所の一つ目小僧の墓」など妖怪・一つ目小僧にまつわる記事を多数掲載してきた。

今回はこれらに続く新たな一つ目小僧情報をご紹介したい。

こちらは1931年(昭和6年)5月31日、読売新聞に掲載された「よみうり少年新聞」というコーナーでの一記事である。




見出しには「一ツ目少女が生まれました」という文字が躍り、不思議なイラストが掲載されている。記事によると「宮崎県某市の村に住む黒木てい(仮名)はこのほど女の子を産み落としたが、両方に正しく目がなく額の真ん中に目のある赤ちゃんが生まれました」とある。

本記事では出産に立ち会った産婆さんの取材も併せて行われており「お母さんのお腹のなかで三つ目や一つ目の子供が生まれることはままあるが、この子供のようにピンピンしているのは非常に珍しい」と記載されている。

「一つ目小僧」の正体については諸説唱えられていて、片目を痛めやすかった鉄職人の姿などが有名な説であるが、今回ご紹介した一つ目少女の正体は、単眼症として生を受けた赤ん坊という可能性が高い。

単眼症とは母胎のビタミンA欠損などにより、胎児の大脳が左右に分離することができず、眼球も1つとなって生まれてしまう症状で、記事にもある通り多くの場合は死生児として産み落とされることが多い。

しかし、希にではあるが単眼症で生まれた子供が1年から数年の間、生き続けるケースも報告されており、今回の一つ目少女もそれに該当するものだと思われる。






こちらの記事は子供にも読みやすいように漫画イラストが挿入されているが、さし絵師個人の心奥がイラストに現れたのか、単眼として生まれてきた妹に狼狽する姉の姿とは対照的に、笑顔を浮かべた母親が描写されている。

母にとってはどのような容姿で生まれた子供でも愛する我が子であることは変わりなく、生命の誕生は非常に喜ばしいという想いが含まれているのだろう。

一つ目少女のその後については不明だが、一人の人間として家族から愛され続けたことを願いつつ、今回の主題を終了したい。

(文:穂積昭雪 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©読売新聞