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牛丼チェーン「すき家」のメニューから生まれたネットスラングが存在する

すき家は、ゼンショーグループが運営する牛丼チェーン。吉野家や松屋と並ぶ牛丼チェーンとして知られており、2020年時点ではこの中で最も国内店舗数を誇る外食産業の国内最大手となっている。

丼物やカレーをメインとしているが焼魚定食などもあり、また牛丼にトッピングを採用し、それを他のチェーンに追随させたことでも知られる。

すき家の「や」は吉野家のように「家」であって、松屋のような「屋」ではない。ただ、「すき屋」というブランドは、すき家と全く関係ないところで実際に存在していた。

これは、クリエイトリーズ・コンサルタンシーグループがマレーシア国内で展開する、ムスリム向けのすき焼き・しゃぶしゃぶチェーンの名前であり、2024年にすかいらーくホールディングスが買収を発表している。

すき家とブランド名が似ていることはすかいらーくホールディングスも触れており、「『すき屋』を日本で展開することは考えていない」と明言しているという。

さて、このすき家のメニューが由来となったとされる「チー牛」(ちーぎゅう)というネットスラングが存在する。2020年ごろから爆発的に普及したものであり、陰キャ(陰気なキャラ)でオタクっぽい人間を指した、いわゆる侮蔑語・自虐語として現在もなお使用されている。

とあるネットユーザーが描いた「いません。三色チーズ牛丼の特盛りに温玉付きをお願いします。」というセリフが付けられてたやや写実的な自画像に端を発し、その自画像が単発で眼鏡をかけて、なおかつ中高生か成人か曖昧な様が「典型的な陰キャ顔」と評されたことで、セリフにある「チーズ牛丼」と略して「チー牛」となり、「チー牛顔」などとして使用されるに至っている。

ここに登場する「三色チーズ牛丼」は、すき家で提供されている「3種のチーズ牛丼」を指していると言われており、言うなればこのスラングはすき家無しでは誕生しなかった用語であったとも言えるだろう。

とはいえ、侮蔑的な隠語であることには変わりなく、2020年7月28日には、当時セガの取締役CCOであった名越稔洋が、ある生放送内でゲーム「ぷよぷよ」のプロゲーマーに対し、このスラングにあやかってか「チーズ牛丼食ってそうな感じ」と発言したことで大炎上した一件もある。

食べ物や食生活に侮辱的な意味合いを持たせるスラングは世界各地で確認されており、日本でもネットでは、「ピザデビ」「スイーツ(笑)」といった例がいくつも誕生している。「チー牛」もこの系譜の一つに組み込まれていると言っても良いだろう。

しかしながら、「注文しにくい」と風評被害も少なからず見られるということから、使用しないほうが無難だろう。

【参考記事・文献】
https://x.gd/Mjmaa
https://woman.mynavi.jp/article/210917-6/
https://x.gd/YTDD0
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC127AU0S4A211C2000000/

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【文 黒蠍けいすけ】

画像 ウィキペディアより引用