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ドラマ『マー姉ちゃん』で描かれた、「長谷川町子」の母親の強烈さ

マー姉ちゃんは、1979年4月から9月まで放送されていたNHKの連続テレビ小説の第23作にあたるテレビドラマである。漫画『サザエさん』の生みの親である長谷川町子の自伝エッセイ『サザエさんうちあけ話』を原作とした作品で、彼女を支えた姉の長谷川鞠子をベースに、「サザエさん」誕生までを描いた作品となっている。

長谷川鞠子は、画家、イラストレーター、そして長谷川町子の漫画著作を専門に取り扱っていた姉妹社社長を務め、妹である彼女のマネジメントなどを一手に担っていた。彼女亡き後も、『サザエさん』の版権管理に影響力を持ち続け、2012年に没した。

彼女の影響力が非常に強かったことも要因の一つであったのか、本作は長谷川町子再度から許諾を得る上で非常に困難を極めたという。

鞠子のあまりの手ごわさに、制作側がお百度参りまでしたという逸話があるとのこと。結局のところ、粘り強い交渉の末に制作の許可が下りたそうだ。

マリ子は三姉妹の長女であり、彼女の役を演じた熊谷真実も長女であったが二人姉妹であった。しかし、妹で女優・シャンソン歌手であった美由紀が松田優作と結婚したために彼が義理の弟となり、偶然にも長谷川家と同じ3人兄弟の一番上となったというのは、なんとも因果な話だ。

本作の特色として、役名は「長谷川」ではなくサザエさん一家の名字でもある「磯野」を使用、『3年B組金八先生』の原作・脚本を務めた小山内美江子が脚本、『ルパン三世』シリーズの音楽を手掛けた大野が音楽を担当した。なお、マリ子を演じた熊谷とマチ子を演じた田中裕子は、役柄上姉と妹という配役となっていたが、現実には田中の方が熊谷より年上である。

放送当時、平均視聴率42.8%、最高視聴率49.9%を記録した本作は、2021年にBSで実に42年の時を経て再放送された。

中でも長谷川家の母である磯野はる(藤井弓子)の個性的なキャラクターが話題となり、「東京にアパートを2棟くらい建てられる」ほどの蓄えがありながら、熱心なクリスチャンでもあったことから、それらを教会の慈善活動へ寄付、寄付、寄付、・・・その結果無一文に陥るも、「なんとなかるでしょう」といった雰囲気で済ませる強烈な人物として描かれている。

藤井の怪演もあってか、再放送の際には「ひどい母親」という感想を抱いた視聴者も多く、「信仰にまっすぐなゆえの狂気」「なかなかの毒親だ」といったコメントが見受けられた。しかしそれも、藤井の演技力あってのものであっただろう。それこそ、現代の視聴者に強い印象を残すキャラクターとなったことは間違いない。

因みに、長谷川町子の師匠である漫画家の田川水泡の妻である高見沢潤子が熱心なクリスチャンであったが、それは長谷川町子が田河の下で同居していた際に、教会へ通っていたことがきっかけだったという。

【参考記事・文献】
https://www.daily.co.jp/society/life/2021/11/30/0014881157.shtml?pg=2
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2012/09/post-f303.html
http://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-17115

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【文 黒蠍けいすけ】

画像 ウィキペディアより引用

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