7月6日、人気TVアニメ『機動戦士ガンダム』シリーズが、ハリウッドで実写映画化されることが決定した。
制作を担当するのは日本のガンダムシリーズに長年携わってきたサンライズ、および映画『パシフィック・リム』『GODZILLA ゴジラ』などの作品で知られるレジェンダリー・ピクチャーズとの共同制作で、公開時期は未定である。
『機動戦士ガンダム』は近年、スティーブン・スピルバーグ監督の『レディ・プレーヤー1』劇中において、メカゴジラと戦うなど、海外で人気があることも改めて証明した。
さて、一部ニュースサイトでは今回のガンダムの実写映画化に関して「初の実写化」と報道している媒体がいくつかあった。しかしその文言は不正確であり、実際にはガンダムの実写化は過去に2回ほど行われていたのである。
まず一つ目が、今から19年前、2000年に『機動戦士ガンダム』の誕生20周年を記念してサンライズと、アメリカのポールスター・テレヴィジョン社が合同で制作したオリジナルドラマ『G-SAVIOUR』だ。
本作は実写とCGを組み合わせた意欲的なスペシャルドラマで、登場人物は日本人ではなく全員外国人である。日本でも放送されたが、『ガンダム』という有名な固有名詞を使わず『G-SAVIOUR』とタイトルを変えられてしまったために「ガンダム作品と気づかれなかった」という悲劇に見舞われた。他にも、アメリカではイマイチ人気が振るわずこの一本限りで終わっている。
もう一つは、1997年にプレイステーションで発売されたゲーム『GUNDAM 0079 The War For Earth』である。
こちらも『G-SAVIOUR』と同じく、CG+実写の作品および出演者は全員外国人である。しかし、起用された外国人俳優のほとんどが無名で、さらには登場キャラクターに似ても似つかない俳優を集めていた。特に主人公のライバルとして人気のある美形キャラのシャア・アズナブルは、どうみても中年太りのオッサンだったためにファンからの評判は最悪で、この作品自体が黒歴史同然となっているようだ。
余談だが「失われた歴史」という意味を指す「黒歴史」という用語は、ガンダムシリーズの一本『∀ガンダム』で使われた造語が元になっている。
これまで、ファンが納得する作品が決して作られることがなかった「実写版ガンダム」。果たしてこのビッグプロジェクトは成功して、黒歴史の汚名返上となるのだろうか……。
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(文:江戸前ライダー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)