昔から大ヒット漫画やアニメの実写化が行われてきたが、多くの場合はガッカリな結果になっているのが現状だ。
2017年は『銀魂』『ジョジョの奇妙な冒険』や海外で実写化された『ゴースト・イン・ザ・シェル』などが多くのアニメファンを悲しませる結果となったが、この後も懲りずに『ワンピース』や『ポケモン』などの実写化の噂は後を絶たない。
さて、今回は少し古い話であるが、当時の人気漫画だった昭和30年代に大ヒットした『鉄人28号』と、今なお国民的キャラクターの『ドラえもん』という2つの作品に関わる逸話を紹介したい。
横山光輝のロボット漫画『鉄人28号』には2004年の映画版以外にテレビドラマ版が存在していたことをご存じであろうか?
特撮ドラマ『鉄人28号』は1960年に制作された。この鉄人はただの着ぐるみで、身長がたったの2メートルしかなく(もっとも身長は一応原作通りなのだが・・・)、子供の目から見ても相当にお粗末な出来であった。空を飛ぶのも最終話だけで、そのクオリティはかなり脱力ものである。
この鉄人を見た原作者の横山光輝は怒りに震え、制作会社にフィルムを破棄してほしいと頼んだという。
また国民的漫画『ドラえもん』にはアニメになる数年前、なんと実写ドラマにする企画があったという。
この企画を立ち上げたのは、株式会社ピー・プロダクション。『マグマ大使』『スペクトルマン』などの実写ヒーローものを多数製作してきた特撮映像プロだ。
実写『ドラえもん』の企画が立ち上がったのは1972年。ドラえもんの映像企画としては一番早かったと思われ、持ち込まれたのはテレビ朝日では無く、フジテレビだった。
今、考えるとなかなかのトンデモ企画に聞こえるが、原作者である藤子不二雄の両人は異様にノリノリだったようで、実際に着ぐるみの雛型も製作されていたという。
残念ながら、この企画は日の目を見る事が無かったが、その企画書はいまだに現存しており、ファンの間では伝説として語り継がれている。
なお、同じ藤子不二雄作品では香取慎吾が演じる38年前に『忍者ハットリくん』が実写されている。
ちなみこの”実写ハットリくん”は大人の俳優がそのままハットリの面を被ったかなりインパクトのある作品で、当時見ていた子供達には不気味すぎて大きなトラウマを植え付けたといわれている。
(山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)
画像『ベストフィールド創立10周年記念企画第8弾 甦るヒーローライブラリー 第13集 鉄人28号 実写版 HDリマスター DVD-BOX』ジャケット写真より