ドッペルゲンガーとは、自分の分身が現れることであり、ときにはその分身と遭遇したり、会話をしたりする。場合によっては第三者がその分身を見かけることもある。日本では「影の病」とも呼ばれ、死の前兆だと言われている。
アトラスでは過去にドッペルゲンガーに関する記事を何本か掲載している。「イギリスで発生したドッペルゲンガー事件」「文豪が遭遇したドッペルゲンガー、芥川龍之介の体験」「ドッペルゲンガーに会える場所を、岩塔ケ原」などが人気の記事である。
芸人・よゐこの濱口優は、そのドッペルゲンガーとも言える自分の分身を、当時付き合っていたカノジョによって目撃されている。この話は読売テレビの「ダウンタウンDX」やTBSの「人志松本の○○な話」などで本人の口から語られているものである。
ある時、カノジョが濱口の自宅に泊まった。翌朝、仕事だったので朝一で濱口が出かけ、数時間後帰宅してみると、彼女は奇妙なことを口走った。
「本物の濱口くん?」
真っ青な顔でそう聞いたカノジョは、大号泣をしてしまった。
カノジョが言うには、濱口が部屋を出た後、寝ていたところ金縛りにあってしまった。すると、
「ガチャガチャ」
とドアを開ける音がして濱口が帰ってきた。
「ただいま」
しかし、どうも怪しい。姿も声も濱口だが中身は別のように思えた。しばらく無視してるとその偽者とおぼしき濱口は消えてしまった。
その後再び眠くなり、寝てしまうとまたしばらくして目が覚めた。またしても全身が金縛りにあっている。するとまた再び
「ガチャガチャ」
と言うドアを開ける音がして、またしても濱口が帰ってきた。今回も偽者のような気がして無視してると、しつこく話しかけてきた。
「ねえ、起きてよ。ねえ、起きてよ」
しかも、言葉の所々に低い声が混じる。
(この濱口君は偽者だ!)
コイツとしゃべってしまってはいけないと思って、彼女がひたすら無視を続けた。その偽者の濱口は一言こういった。
「ちぇっ、バレてしまったか」
そう言って再び姿を消してしまった。
その後、濱口が帰ってきたので、彼女は思わず「本物の濱口くん?」 と聞いてしまったわけだ。
なんとも、不気味な話である。
濱口の心の闇の部分がドッペルゲンガーとなったのか、あるいは妖怪あまのじゃくのように邪悪な存在が濱口の姿を借りて出てきていたのか・・・。
この偽物の濱口の正体はわからないままである。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)