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シンガーソングライター「EPO」 人気歌手になったのは『ひょうきん族』のおかげ?

EPO(エポ)は、歌手・シンガーソングライター、またセラピストで活躍する人物。J-POP黎明期である1980年代の代表的アーティストの一人に数えられ、代表曲に資生堂化粧品のキャンペンCMソングにも使用された『う、ふ、ふ、ふ、』などがある。

EPOという名前はもちろん芸名であり、元々子供の頃に呼ばれたあだ名だった。ある時、友達から本名の栄子(えいこ)で呼ばれた際に、舌がもつれてしまい「えーぽちゃん」となってしまい、それ以来「エポ」というあだ名で定着したという。

彼女と切っても切り離せないのが、バラエティ番組『オレたちひょうきん族』との関係だ。『8時だョ!全員集合』と土8戦争を競っていた番組として有名だが、この番組のテーマソングとして使用された『DOWN TOWN』、そしてEDテーマである『土曜の夜はパラダイス』は、いずれもEPOの楽曲だ。

それどころか、ビートたけしが演じた「タケちゃんマン」コーナーの『THE TAKECHANマン(タケちゃんマンの歌)』の作曲を手掛けたのも彼女である(タケちゃんマンの歌での名義は佐藤エポ子)。

なぜ彼女は「ひょうきん族」のテーマ曲を手掛けることになったのか。

1978年、音楽プロデューサー宮田茂樹がラジオ局の友人からEPOを紹介されることになった。彼女は当時高校生で、在学中に「Laugh」というバンドを組んでコンテスト番組『ライオン・フォーク・ビレッジ』に出場し優勝をした経験を持っていた。

宮田は彼女と落ち合って話しているうちに、「レコードを出さないか?」と彼女に言った。しかし、この時彼女は体育大学の推薦入学が決定しており時間の余裕が無いと回答。

その後、彼女から渡された自作曲のテープを持ち帰って聴いていた宮田だったが、そのうちに”ダウンタウン”のイメージが浮かび始め、70年代のポップスバンドであるシュガー・ベイブの『DOWN TOWN』をカヴァーすれば良いのではないか、というアイディアにつながったという(もともと、体育教師を目指しての入学だったが、のちに音楽活動へ専念するため中退)。

こうして、「ポスト竹内まりや」としてプロモーションされたEPOであったが、思うような評判は得られなかった。

そこへ声がかかったのが、なんと「ひょうきん族」のスタッフからだった。「EPOのダウンタウンをテーマソングに使いたい」。テレビ局へのプロモーションがほとんど考えられていなかった時代、使ってくれるなら是非という思いで承諾し、「ひょうきん族」第2回から正式にこの曲が使用されることとなった。

そして、「ひょうきん族」が人気番組になっていくと共にEPOの知名度も上がっていき、こうして彼女はついにメジャー・シンガーの仲間入りを果たすことになった。

【参考記事・文献】
https://natalie.mu/music/column/318703
https://popsfanlife.com/epo-prof-485
http://music-calendar.jp/2015051601

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【文 ZENMAI】

画像『GOLDEN☆BEST EPO~The BEST 80’s Director’s Edition~