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演歌歌手「大川栄策」伝説 お色気どっきり常連、前歯が無い説の顛末

大川栄策は、大ヒット曲「さざんかの宿」などで知られる演歌歌手。小林幸子や美川憲一などの師匠である作曲家・古賀政男の最後の弟子として知られ、芸名は出身地である福岡県”大川”市を”栄”えさせる対”策”との由来で名付けられた。

家具製造店を営む実家に生まれ、高校時代に空手や野球とともに村田英雄に憧れるようになり、卒業して上京後に古賀の門を叩いた。

ドラマ『新妻鏡』の挿入歌として使われた「目ン無い千鳥」でデビューを飾り、一時低迷するものの前述の「さざんかの宿」にて再ブレイクを果たして全国区の人気歌手となった。

だが、大川栄策の名を聞いて一部では歌手ではない別のイメージが真っ先に思い浮かぶという人々もいる。それは、バラエティ番組『スターどっきり(秘)報告』の存在が大きい。

80年代、『元祖どっきりカメラ』と並び”どっきりコンテンツ”で人気を二分していたというこの「スターどっきり」は、どっきりの対象を芸能人に絞り込み、タレントの素を見せるというスタイルで絶大な人気を博した。

この番組で大川に行なわれたどっきりは、通称「お色気どっきり」と呼ばれるもので、中でも「シアワセ一杯!超お色気ゴルフ!!」と題された回は、ゴルフ場にやってきた大川に対して、やけに若いキャディがつき、あれやこれやとキャディが間接的に煽る中で、大川が終始ニヤニヤと嬉しそうな顔をしているというもの。最後には”おさわり”まで始まってしまった。

しかし、ネタ晴らしをされた彼は怒るどころか、自分のあまりの情けなさからか笑ってしまうという具合。大ヒット歌手のそんな人間味溢れる様が、多くの人々に親しまれる要因になったと言えるのかもしれない。

もう一つ、大川のエピソードとして近年注目されたものがある。

2020年3月6日に放送された『探偵!ナイトスクープ』でのこと。一般の視聴者からの疑問をタレントが扮する探偵たちが調査するこの人気番組で、当時70代の依頼者から送られてきた風変わりな依頼内容が紹介された。ずばり、「大川栄策の前歯が見たい」。

それによると、依頼者は40年来の大川ファンであるが、これまでテレビやコンサートで数えきれないほどの大川の姿を見続けてきたものの、一度も大川の上の前歯を見たことがなく、是非大川の上の前歯を見てみたいとのこと。

実際、CDジャケットにある本人の写真のほか、過去のVTR、コントで倒れているシーン、果ては目の前にいる大川本人を見ても本当に上の前歯が確認できず、一時VTRでは「大川”上の前歯”無い説」まで浮上した。

最終的に、大川本人が直接上唇をあげてハッキリと上の前歯があることが確認されたことで、依頼は無事解決することとなった。

【参考記事・文献】
https://oreryu.site/80s-8/
http://takaoy1.blog.fc2.com/blog-entry-3347.html
https://www.nanigoto.net/entry/2020/03/07/002702

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【文 黒蠍けいすけ】

画像『さざんかの宿/目ン無い千鳥