早見優は、歌手、女優、タレントとして活躍する人物。親の事情により幼少期をグアムやハワイで過ごし、ハワイの三越デパートのエレベーター内でスカウト、1981年にペンタックスカメラMGのCMに出演、翌年には『急いで！初恋』でデビューを飾った。
同期に、小泉今日子、中森明菜、松本伊代、保知里恵美やシブガキ隊などがおり、早見と彼らを総称して「花の82年組」とも呼ばれている。
ハワイで過ごしていた経験もあり、英語が堪能なタレントとしてもよく知られており、元祖バイリンガルアイドルとしても認知されていた。『アメリカンキッズ』などの英語学習番組も持ち、また日本ではその英語力を衰えさせないために、アメリカンスクールや大学に通っていたという。
1983年に発表されたシングル『夏色のナンシー』は、早見のヒット曲としても知られているが、特徴的なのはジャケットに映る彼女の、いわゆる小麦色の肌だ。早見によると、当時は真っ黒に焼くことが流行っていたとのことであり、タレントの中山秀征によると、時間の合間を見てテレビ局の裏へ行って焼きに行き、その焼けた肌をキープしていたという。
ただ、アイドル時代はあまりの激務で睡眠時間もろくに取れなかった過酷極まる環境であったという。ある時、あまりに限界を迎えたためにマネージャーへ休ませて欲しい旨を訴えたところ、「ダメだ」とあっさり突っぱねられてしまった。頭にきた早見は信号待ちで停車している最中にマネージャーの車から飛び出したという。
だが、このあとにラジオ番組があることを思い出した早見は、急いでタクシーをつかまえて乗り込むものの、現金を持ち合わせていないことが判明。運転手に、「テレホンカードしか持ってません」と泣きながら手渡すと、なんと運転手は「仕事頑張ってきな」とテレホンカードで了承したという。昭和という時代を垣間見るエピソードであろう。
そんな彼女は、強運の持ち主としても知られている。『東京フレンドパーク』へ出演した際、番組最後の「ビッグチャンス」と呼ばれるダーツに挑戦したところ、なんと「三菱パジェロ」を2台も当てたことがある。
実は、早見はデビュー直後に出演したある正月番組でもじゃんけんに勝利した結果「日産シルビア」が贈られたこともあった。ただ、運転免許を持っていなかったために母親が使用していたとのこと。いずれにせよ、能力も去ることながら、そうした強運が彼女をアイドルたらしめる原動力にもつながったことは確かだろう。
ところで、彼女の名前を聞くと、「何を言う早見優」という往来のフレーズを思い浮かべる人も多いかもしれない。このフレーズは、お笑いタレントである村上ショージの鉄板ギャグの一つであり、そのあとにも「醤油、ラー油、アイラブユ」という語句が続く。
『俺たちひょうきん族』に村上が出演した際、世に出たダジャレ、いわばギャグだ。元々は、吉本興業に入ったばかりであった村上がある時、麻雀を打っていた際に打つのが遅かったことから、明石家さんまから「はよ打てや」と言われたことに対して「何を言う、早見優」と思わず言ったのが最初だったという。
早見によると、当時明石家から「村上のギャグ聞いた？」と問われ、初めてギャグの存在に気がついた時は「ギャグ」という認識も持っていなかったようだ。しかし、その後早見は「ひょうきん族」に登場することとなり、村上が「何を言う」と言ったその直後に背後の壁を突き破って「早見優！」と言って本人が登場するというサプライズコラボを果たした。
そしてなんと2023年、デビュー40周年を迎えた早見の単独ライブ「YES優YES☆夏色のナンシー祭り2023」が開催、なんと村上がアンコールによってサプライズ登場。ところが観客の中には、早見と村上がなぜ共演しているのか？と不思議がる反応もあったようで、ジェネレーションギャップによる隔たりが人によって感じられる場にもなったようである。
【参考記事・文献】
・https://www.glam.jp/post-306002/
・https://noako-style.com/hayamiyu-naniwoiu/
・http://talentenglish.web.fc2.com/hayamiyu.html
・https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202308070000937.html
・https://news.yahoo.co.jp/articles/46dc9646923710d2973640025d26dbc133befd0b
・https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2023/08/02/kiji/20230802s00041000582000c.html
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