アメリカのシンガーソングライター・女優として活躍するマドンナは、世界で最も成功をおさめた女性音楽家と言われ、「クイーン・オブ・ポップ」とも称される世界的に知られた人物。そのパフォーマンスがたびたび大炎上を巻き起こすことでも有名であるが、私生活においては2人の子供とマラウイ共和国から迎えた養子を含め、6人の子供を持つ母親としての顔を持つ。
そんな彼女は長きに渡り、ある専属のプライベートシェフを雇っていた。その人物は、日本人の西邨(にしむら)マユミという人物だ。
西邨は、「マクロビオティック」と呼ばれる食事法に基づく料理を発信するコーチ、研究家として活動している。櫻沢如一によって提唱されたマクロビオティック、いわゆる玄米を中心として野菜、海草類、塩などを環境に合わせてバランスよく摂取するために考案された食事療法だ。
西邨は1982年にアメリカへ渡り、そこでマクロビオティックを学ぶとともに料理講師などを務め、癌患者への料理指導を行う立場となっていった。アメリカで活動しているさなか、彼女はマドンナがマクロビオティックのプライベートシェフを募集していることを知り、早速履歴書を送った。
一週間のテストを経たのち、彼女はマドンナのツアーや映画撮影などに同行するようになっていき、さらには転居先のロンドンの自宅に住み込みが許されるほどに信頼を得た。こうして彼女は、マドンナ一家の食生活を支えていくようになった。
マクロビオティックの食事法は、マドンナ自身のスタイルや健康状態を健全に維持するために必要不可欠なものであったことは確かである。だが、何よりも彼女がマクロビオティックを望んでいたのには、もう一つ理由があった。
そもそも、マドンナがマクロビオティックのシェフを選ぶことになった理由は、第二子である長男のロッコ・リッチーが関係していたという。彼はアレルギー体質であったため、彼女は何を食べさせて良いのか非常に思い悩んだという。
西邨は、そんな彼のアレルギー体質を考慮してマドンナ一家独自の食事提供をし続けた。その結果、彼のアレルギーは現れなくなっていったという。
マドンナは、ある番組へ出演した際に「私の息子は日本人のシェフによって救われた」と発言をし、これによって西邨の評判は現地及び日本国内でも一気に広まることとなった。
そんな西邨自身は、およそ10年に渡ってマドンナの下でシェフを務めた末、マクロビオティックをより世界へ広めようと思い立つようになり、マドンナからの後押しを受ける形でプライベートシェフを辞め、こんにちに至っている。こうした経験もあり、マドンナは現在でもその心身を整えるため日本食を欠かせておらず、三食玄米を貫いているという。
【参考記事・文献】
マクロビオティックで、アレルギー食事療法
https://allabout.co.jp/gm/gc/198138/
マドンナは勉強熱心!日本人元料理番がスターの食生活語る
https://athleterecipe.com/column/1/articles/201802150000390
マドンナ—熱心な玄米正食主義(マクロビオテック)
https://ameblo.jp/sarakorin/entry-12428913077.html
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【文 黒蠍けいすけ】