サブカル

世界的女性アーティスト「マドンナ」が巻き起こした桁違いの炎上の数々

マドンナ・ルイーズ・チッコーネ(通称マドンナ)は、世界で最も成功をおさめた女性シンガーソングライター、そして史上最も売れたアーティストの一人に数えられる人物である。還暦を超えてもなおアグレッシブな活動を展開する彼女は、同時に物議を醸す騒動をいくつも起こしてきたことでも知られている。

1970年代のデビュー以来、彼女のパフォーマンスによって現在で言うところの炎上に発展した例は数知れない。

1989年に発表したアルバム「Like a prayer」は、教会を舞台にしたMVであったが、その中身はアフリカ系の人々が登場している上に彼女はその人々のキスをしたり、そして十字架を燃やしたりとショッキングなシーンで溢れていた。このMVはキリスト教の関連団体から大きな非難を浴び、この曲をCMに使用することになっていたペプシが放送を中止、さらにはスポンサーを降りるまで発展した。この一件によって、彼女はコカ・コーラ派になったという逸話もある。

この「Like a prayer」騒動は、なんとローマ教皇にまで伝わっており、このアルバムのワールドツアーが行なわれた時には、ローマ教皇が「人類の歴史の中で最も悪魔的なショーの一つ」と怒りを露にした批判を行なったほどであり、ローマ市民に「ショーにはいかないように」と訴えたという。

パフォーマンスによって放送禁止の事態を巻き起こしたこともある。1990年にリリースした「Justify My Love」は、ポルノかと思われるほどに過激な性的描写が盛り込まれており、アメリカの代表的な音楽専門チャンネルMTVも放送禁止を決定したほどであったという。

加えて2001年にも「What It Feels Like for a Girl」の内容があまりにバイオレンスであったために、子供への影響を鑑みて夜9時までは放送されなかったという逸話もある。

彼女の騒動は、政治的な主張にも及んでいる。毎年5月の第一月曜日にニューヨークのメトロポリタン美術館で開催されるファッションの祭典「メッドガラ」。2016年に登場した彼女の装いは、胸と尻がシースルーになっている攻めたあまりにもファッションであった。彼女によれば、加齢に伴う大胆な行動への慎みやセクシャル表現の抑制など、年齢差別や性差別という主張に絡めたファッションであったようだが、周囲の反応は芳しいものではなく、大ブーイングの嵐であったという。

また、同年にリリースされた「God Control」は、銃犯罪撲滅よ銃規制の重要性を訴えたいというメッセージのもと製作されたというのだが、その内容はクラブで男が銃を乱射するシーンがあるなど首をかしげるようなものに構成されていた。かつてフロリダの高校で発生した銃乱射事件で生存した人々からは、銃規制を訴える内容とは思えないと猛烈な抗議を受けることになってしまった。

ところで、彼女の誕生した1958年8月はかのマイケル・ジャクソンの誕生した月でもある。同い年の両者は、音楽界を牽引する二大トップアーティストとして知られ、いっときにはロマンスの噂も浮上したことすらあった。だが、1992年にリリースされたマイケルの「In the Closet」のMVにおいてとある裏話がある。

このMVには、マイケルの相手役としてナオミ・キャンベルが起用されているのだが、当初はマドンナが出演するはずであったという。

マドンナの出演が流れた理由は、彼女がマイケルに対して女装することをリクエストしたからであると言われている。マイケルにとってこれは無茶ぶりもいいところであったらしく、かなり憤慨していたそうだ。

さらには、この曲の歌詞についても彼女はマイケルに対しいくつものアイデアを提案していたそうであるが、マイケルは挑発的すぎるとしてこれらをことごとく却下、結局コラボの話は立ち消えになってしまったという。

きわめて振り切れたパフォーマンスの目立つマドンナの騒動は、まだまだ止むことがないのかもしれない。

【参考記事・文献】
マイケル・ジャクソンを「ガチ切れ」させたマドンナの“お願い”とは?
https://front-row.jp/_ct/17358963
驚異の65歳!マドンナの破天荒すぎて世界を激怒&困惑させたやらかし事件簿10
https://www.25ans.jp/celebrity/celebrity-life/g40902770/madonna-220817/

【文 ZENMAI】

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