業界のウワサ

「さだまさし」日本最多コンサート回数記録は借金返済が原因だった

さだまさしは『関白宣言』や『北の国から』などの楽曲で知られる長崎県出身のシンガーソングライター。

これまで500曲以上に上る楽曲を制作し、近年では作家として小説の執筆なども行なっている。眼鏡に出っ歯をトレードマークとしおり、またゲーム実況系動画においてはゲーム内音楽に付けられた歌詞の中に彼の名が登場することでも知られ、あらゆる世代に親しまれている。

過去4000回を超えるコンサートを行なっており、日本で最もコンサート行っている歌手としての記録も保持している。しかし、これほどのコンサート回数をこなすことになった原因は、自身が制作した映画の借金返済が原因であったという。

1981年、彼が28歳で初監督を務めたドキュメンタリー映画『長江』が公開された。この映画は、彼の祖父母が青春時代を送った中国・長江沿いを訪ね、そこで暮らす人々の歴史を追った内容となっているのだが、この映画の制作により35億円もの借金を抱えてしまった。

この莫大な借金の返済の手段として、数多くのコンサートを行うようになったことはまさに苦肉の策であった。結果、およそ30年かけて借金は無事完済されたが、それでもコンサートは続けられている。

なお、現在においてこの映画は、三峡ダムの建設などにより失われた現地の史跡や流域の風景・文化を伝えるための現存するほぼ唯一の映像記録とも言われ、大変貴重な資料として評価されている。ちなみに、この膨大な借金の額は制作費の見積もりミスにより生じたものであったらしい。

不遇な評価を受けてきたこともたびたびあり、高校・大学時代は落研に所属していたために話芸は長けていたものの、オールナイトニッポン時代のタモリからは「根暗」だと罵られたことで好印象を持たれない時期も続いたという。

一時は、楽曲に対しても「女々しい」「暗い」と言った無責任なバッシングが強かった時期もあり、特に思想の強い層からのバッシングは強烈であったという。

彼の代表曲『関白宣言』は、その曲の内容通りに捉えた人々から「男尊女卑的」「女性蔑視」といった批判が殺到し、さらには、映画『二百三高地』(1980)の主題歌「防人の唄」を歌ったことで左派論者から「戦争賛美」「右翼」などと叩かれ、映画『ひめゆりの塔』(1985)の主題歌「しあわせについて」を歌った際には右派論者から「日和見左翼」「裏切り者」などと叩かれるなど、両陣営から強烈な非難を浴びた。

こうした周りからのバッシングが続いた中で、彼を追っていたファンたちは表立ってファンであることを公言することが難しく、このために「隠れさだ」というファンネームができたほどであった。ちなみに、彼はのちに『関白失脚』という楽曲も制作している。

彼には、この他にも面白いものがある。「目が点になる」という慣用句があるが、これを広めたのはさだと言われている。

きっかけは、1980年代のこと。漫画『嗚呼!花の応援団』に登場する主人公の青田赤道は驚いて言葉が出なくなった際に目の部分が点のみで描写されていた。これを愛読していたさだの兄貴分であるギタリスト福田幾太郎が最初に「目が点点になっている」と言い始め、仲間内を通して広がり、さだまさしもラジオやコンサートで多用していったことでファンを中心に浸透して行ったといわれている。

「目が点になる」は、彼の楽曲『恋愛症候群』(1985)にも使用されるに至り、現在では広辞苑にも掲載されている一般的な言葉となって日本語の中に定着している。

【参考記事・文献】
さだまさし、借金35億円の壮絶過去 抱えた原因にスタジオ仰天「そんなことある!?」
https://hochi.news/articles/20230627-OHT1T51120.html?page=1
さだまさし
https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%81%95%E3%81%A0%E3%81%BE%E3%81%95%E3%81%97
さだまさし
https://dic.pixiv.net/a/%E3%81%95%E3%81%A0%E3%81%BE%E3%81%95%E3%81%97

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【文 黒蠍けいすけ】

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