妖怪・幽霊

北陸最恐の心霊スポット…ダムで沈むはずだった福井県大飯郡の廃集落「永谷集落」

永谷(ながたに)集落は、福井県大飯郡おおい町名田庄永谷に存在する廃集落である。

1965年ごろ、関西電力が芦生・挙原揚水発電所を建設するためのダム計画が持ち上がった水没対象地区の一つであり、一部住民の強い反発がなりながらも1985年ごろには9世帯全ての住民が離れて廃村となった。

しかし、ダムが建設される予定であった京都側からの強い反対がその後も続いたことで、2005年にダム計画は白紙となり、以後も住民が戻ることなく廃集落だけが残されることとなった。

いわば、行政に振り回されて廃集落となってしまった場所と言っても良いだろう。取り残された永谷集落の建造物は自然に飲み込まれていくような形で崩壊が進んでいき、集落内の廣峯神社は社も損壊しており境内が立ち入り禁止となっている。

道脇のある小屋に掲げられている「関電の電発に反対」と記された看板から、当時がどのような様相であったのかを窺い知ることができる。

永谷集落は、廃墟などを巡る人々にとっては非常に人気のスポットとしても知られており、人の手が加えられることなく自然のままに崩れていく様は「崩壊美」として魅力を感じる場所であるという。一方で、その独特の雰囲気からか、この集落を「決して立ち入ってはいけない」心霊スポットとして紹介されるケースも多い。

集落周辺では、夜な夜な人の話し声が聞こえたり、幽霊が現れたりするという噂が囁かれているという。中でも、集落内の廃寺は最も危険であると言われている。現在では推測になっているが、この廃寺は禅宗の長泉寺だったのではないかと言われている。

この廃寺は、台座のみが残された状態となっており、本尊はどこかに移転されたのではないかとも考えられている。内部は風化が進み、床は完全に朽ち果てて穴も開いていることから、立ち入りは危険であるという。

かつては、心霊系のテレビ特番にて「北陸のとある廃寺」として放送されたこともあるそうだ。そして、廃寺の近くには無縁仏の墓石が散乱しているという。このことから、無縁仏の霊によって心霊現象が引き起こされているのではないかとも言われている。

なお、永谷集落から道を一本外れて進むと同水系の虫谷(むしだに)集落が存在している。こちらは、1970年ごろに住民全てが離村したと言われているが、その理由は炭焼き需要の減少や台風などの災害に影響したものであると言われている。また、虫谷集落については離村後も外部の者が立ち入って現在もなお家屋の管理を行なっていると言われている。永谷とはまるで異なった経緯を歩んでいる集落だ。

心霊による怪異よりも、行政に翻弄されて廃集落となってしまった悲哀を強く感じさせる場所である。

【参考記事・文献】
【福井】ダムに沈むはずだった廃村、永谷集落跡と廣峯神社跡!
https://hitoritabikenkyu.com/nagatani/
永谷集落 – 湖の底に沈むハズだったダム戦争の村
https://syasin.biz/3107/
永谷集落の廃寺|ウワサの心霊話
https://sinreikousatu.jp/nagatanisyuurakunohaizi-sinrei/
虫谷
http://www.aikis.or.jp/~kage-kan/18.Fukui/Natasho_Mushidani.html
誰もいなくなった村、廃墟と化した寺社… 福井・永谷集落跡の「崩壊美」が切ない
https://j-town.net/2019/05/20281259.html?p=all

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【文 ZENMAI】

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