ウルトラシリーズの人気作『ウルトラマンタロウ』(TBS系列、1973~74年)には以下のような都市伝説が存在する。
「ウルトラマンタロウの最終回は、撮影中にタロウの着ぐるみが燃えてしまい急遽撮り直されたもの」
実はウルトラマンタロウの最終回はこれまでのウルトラシリーズの中ではかなり異質なストーリーとなっている。以下にウルトラマンタロウ最終回のあらすじを紹介しよう。
ウルトラマンタロウ=東光太郎の恩人である日日丸の船長・白鳥潔が一年ぶりに日本へ帰ってくることになった。白鳥船長の息子、健一くんは白鳥船長の帰りを心待ちにするが、白鳥船長はその航路で怪獣サメクジラに殺害されてしまう。光太郎はウルトラマンタロウに変身し、サメクジラを倒すが、父を殺され健一くんは自暴自棄に。そんな健一くんを勇気付けるため光太郎は変身アイテムを捨て、タロウに変身せずに一人の人間としてバルキー星人を倒すことを決意。そして遂に「見ろ!人間の力で宇宙人をやっつけたぞ」、光太郎はバルキー星人を倒し、一人の人間として生きていく事を選んだ。
このようにウルトラマンタロウの最終回は、ラストにウルトラマンに変身しないで生身の主人公が怪獣を倒すという珍しいストーリーだった。
しかしながら、前述の都市伝説の通り「タロウの着ぐるみが燃えて無くなってしまった」という事実は関連本およびスタッフの証言などどこにも記載はなく、これはタロウが最終回後半の画面に出てこない、という事実を元に後から作られた創作話と思われる。
ではなぜこのような都市伝説が生まれたのか・・・。
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恐らくではあるが、この回に登場するバルキー星人の見た目がウルトラマンによく酷似した外見かつ、光太郎の攻撃により全身が炎に包まれて倒されたことが発祥元と思われる。
実はバルキー星人はウルトラマンタロウの後番組である『ウルトラマンレオ』の没デザインを流用した宇宙人であり、パッと見は他のウルトラ兄弟に非常によく似ている。
そのうえで、①ウルトラマンタロウが出てこない、②ヒーローっぽい外見のバルキー星人が丸焼けで倒されたことから、いつしか「ウルトラマンタロウの着ぐるみが焼けた」というおかしな噂話になってしまったのではないかと考えられる。
なお、ウルトラマンタロウはおかしなウワサ話が非常に多いシリーズとして知られており主題歌には謎の声が入っているといった都市伝説もある。
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(文:江戸前ライダー ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)