カーリング娘の「もぐもぐタイム」で赤いサイロが注目されたが、今度は彼女たちが食べていた韓国産のイチゴが注目されている。
一部の消費者は、すでに韓国産のイチゴを購入しており、その消費が日本国内で爆発的に伸びる可能性がある。
おいしい食品が国際的に流通する事は歓迎すべきことだが、これが農産物における日本の知的財産権を侵害してるとしたらどうだろうか。
1990年代、韓国において爆発的な人気を起こったのが日本のイチゴ「レッドパール」であった。韓国内で消費されるイチゴの80%を抑えていたと言われており、愛知県の西田朝美さんが長年苦労して開発した品種であった。
その後、西田氏のもとに韓国人の金重吉(キムチュンギル)氏という人物が訪ねてきて、気が乗らない西田氏を強引に口説き落とし、5年間の契約を結んだ。契約後、金重吉氏は無断で「レッドパール」を他の韓国人に譲り渡し、「レッドパール」と違う品種が無断で掛け合わされた。その結果生まれた新種が、韓国で今流通しているイチゴである。もちろん、西田氏のもとにはインセンティブは一円も入っていない。
この話は都市伝説のような与太話ではない。
このイチゴの知的財産権問題は、農林水産省のホームページで指摘をされている深刻な国際問題なのだ。日本のイチゴ農家にとっては死活問題だ。もともと日本のブランドイチゴが無断で改良され、その無断改良のイチゴが東南アジアなどに輸出され、日本のイチゴの強力なライバルになっている。
こんな非道なことがあっても良いのだろうか。もちろん、純粋たる韓国産のイチゴもあり、カーリング娘がそれを食べた可能性もある。しかし、純粋たる韓国産のイチゴは全体の1割にも満たないのだ。
このような深刻な農産物の知的財産権問題は、さくらんぼやマスカットにも及んでおり、日本の品種が勝手に持ち出され勝手に販売されたり改良されたりしているのだ。新種の開発は、莫大なコストがかかる。それをお手軽に無断で持ち出すとはいかがなものであろうか。
今回の出来事は、カーリング娘に罪は無い。しかし、テレビを見てカーリング娘に感動した視聴者は、「もぐもぐタイム」のイチゴだからといって、韓国産のイチゴに安易に手を出す事は控えるべきではないだろうか。
(大山朱姫 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©PIXABAY