※本コラムはゲーム作品「妖怪ウォッチ1~3」 をアカデミックに解析し元ネタの特定ほか妖怪伝承について解説していくコーナーです。
「ヒキコウモリ」はコウモリの形をした妖怪でとりつかれると外に出るのが怖くなってしまう妖怪。元ネタは「コウモリ」+「ひきこもり」のダジャレからと思われる。
アニメおよび『妖怪ウォッチ3』ではケータくんの押し入れに住み着いており、バトルはともかく「ネット通信のプロ」として大活躍している。交友関係も幅広く妖怪ウォッチのメーカーであるヨップル社のマーク・シャッチーバーグ社長(もはや突っ込むのもヤボ)と知り合いというフットワークの軽さを見せた。
ゲームではヒキコウモリとネクラマテングを合成すると、「トジコウモリ」という家にすっぽりと収まったヒキコウモリに進化することができる。家と合体してしまったため家から出ることはまず不可能らしい。
さてさて、古くから妖怪とコウモリは非常に相性の良い存在として知られている。
例えば「ドラキュラ(吸血鬼)の周りをコウモリが羽ばたく」姿は皆さんも映画や漫画で見たことがあるだろう。コウモリは暗い場所を好み、得物の血を吸う、超音波を発するなど不気味な能力を持っていることから西洋では悪魔のモデルもしくは子分として知られている。
また、もちろん日本にもコウモリを模したと思われる妖怪の姿は残されている。
野鉄砲(のでっぽう)という妖怪は夜になると生き血を吸いに人間のもとに現れ口からコウモリのようなものを発射して相手の視界を遮る能力を持っているという。その正体は一説には年老いたコウモリだとすると説もあるが、モモンガやムササビが正体であるという記述もある。
(文:穂積昭雪 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)