妖怪

関東地方の座敷童子「まめいちぼっこ」は妖怪か?妖精か?

座敷童子といえば、遠野物語を思い浮かべる人が多いだろう。

一般には岩手県の妖怪として有名であるが、これに類する、あるいは近いとされる妖怪は各地に存在しており、蔵の中にいるという「くらぼっこ」、坊主姿の按摩のような姿であるという「座敷坊主」、またいたずら好きであり、枕をひっくり返すという行動をするということから「枕返し」と関連しているのではないかとも言われている。

関東地方では、「まめいちぼっこ」という座敷童子に似ているとされる存在の目撃が報告されている。八王子の古い屋敷にいる、あるいは墓地に出現すると言われる小人の妖怪であり、豆のように小さい子という意味からその名で呼ばれている。その姿や行動については謎が多いが、家からいなくなると運に見放され没落してしまうという特徴は、まさしく座敷童子そのものである。


そもそも座敷童子は、先祖にあたる子どもが幼くして亡くなった存在であると言われているが、間引きや流産によって命を失った子どもの霊とも異説として考えられている。先祖が守護していることを敬う意図の他、悪しき霊とならないよう手厚く祀るという怨霊信仰という事情が、座敷童子を丁重に扱わなければならないという姿勢に表れているのだろう。

だが、まめいちぼっこは子どもということではなく“小人”として伝わっているため、妖怪というよりは妖精ではないかという見方もなされている。実は、それと関連しているかのように、八王子の隣の立川には、北海道の小人として知られる「コロボックル」がいたとも言われており、かつては住処とされたいくつもの穴も存在していたと言われている。

この事情からすれば、かつてこの周辺に小人が棲息しており、一方ではコロボックル、一方ではまめいちぼっことして認識されていたのではないかとも考えられる。




日本において小人にまつわる伝承は、一寸法師、瓜子姫、田螺長者といった「小さ子」として今に伝わっている。こうした小人いわゆる「小さ子」は、尋常ならざる存在、いわば神の子を指し示す存在として語られることが多い。また、幸福をもたらす神と言えば福天(福の神)が知られているが、福の神は貧乏神と二人一組の存在として描かれていることが多いという。

まめいちぼっこの、繁栄をもたらし没落ももたらすという事象は、この二つの神の性質を一身で併せ持っているものであるとも言える。

とすれば、まめちいぼっこは霊や妖精なのではなく、それ以上に神に近い存在と言えるのかもしれない。

【参考記事・文献】
山口敏太郎『江戸武蔵野妖怪図鑑』
山口敏太郎『小さいおじさん』
東京にザシキワラシ出現!!
https://npn.co.jp/article/detail/80349330/

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(黒蠍けいすけ 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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