『アクマイザー3』は、1975年10月から76年6月まで放送されていた石ノ森章太郎(当時石森章太郎)原作、東映製作の特撮ドラマ番組。
地下世界に暮らすサイボーグ民族・アクマ族の地上侵略作戦に、ザビタン、イビル、ガブラの3人のヒーローが立ち向かうという物語であり、『秘密戦隊ゴレンジャー』のヒットの影響を受けた集団ヒーローものという位置づけとなっている。
タイトルの「3」はナンバリングではなく、この3人のヒーローに由来する。
主人公のヒーローたちが人間形態を持たない、すなわち変身というスタイルをとらない異形のヒーローという点が最大の特徴となっている。そのため、特に初期では異形ゆえに人々から恐れられる悲哀のヒーローとして描かれており、助けた子供の親から銃撃されることもあった。
ちなみに、人間形態が無いというのは、予算が仮面ライダーシリーズの半分だったこともあり、役者の人数を減らして製作費を軽くしようという思惑の一環だったと言われている。
本作は、その最終回があまりにも衝撃的なものであり、特撮の中でも指折りのBAD END作品として知られている。その理由は、敵の黒幕にヒーローたちが封印されて終了してしまったためだ。
アクマ族を陰から動かしていた大魔王ガルバーは、最終回の前の37話でその存在が初めて語られた、まさしく黒幕だった。
しかし、本作では声の身の登場となっており、姿を見せないままであった。アクマイザー3が強敵ゲベルを相手に見事打ち破ることができたのも束の間、なんとガルバーによって彼らの魂がカプセルに封印され、宇宙へ追放されてしまった。
言うなればBAD ENDとも言うべき幕引きとなり、多くの子供たちがショックを受けることとなってしまったのだが、実はこの展開はすでに決定していた続編のための前フリだった。
「アクマイザー3」の後番組として始まった『超神ビビューン』にて、彼らの魂はビビューン、ズシーン、バシャーンへと受け継がれることから物語が始まることになったのである。
もともと、「アクマイザー3」の後番組は、「アクマイザー3 魔神ハンター」という正統な続編が予定されていたようだが、「普通の変身ヒーローものにしてくれ」という上層部やスポンサー筋の命令もあって、結局正当な続編の企画は叶わなかったという。
「アクマイザー3」は、作品そのものはそれなりに好評だったようであるが、予算節約の苦肉の策で生まれた異形のままのヒーローという悲哀を、その最後まで詰め込まれたのはなんともやるせない。
なお、前作でほぼ素性が明かされなかったガルバーは、本作にて妖怪軍団の真の支配者という形でその全貌が明らかとなった。
二作にまたがり登場した黒幕も、最後は3超神の必殺技によって滅び去り、3人の悲願が達成された。
【参考記事・文献】
・https://x.gd/KKW1a
・https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/4966.html
・https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B6%E3%83%BC3
・https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B6%E3%83%BC3
【アトラスニュース関連記事】
【都市伝説】『大草原の小さな家』爆破最終回は死期を悟った監督の意志だった?!
伝説の魔球漫画「侍ジャイアンツ」最終回、あの作品の没案だった?!
【文 ナオキ・コムロ】