「戦死した英雄の亡霊が現れて戦況を好転させた」という話は今に始まったことではないが、比較的近代の第一次世界大戦初期、イギリス軍を助けるために天使が現れた?という事件が起きていた。
1914年8月、モンスにて圧倒的な戦力を有するドイツ軍を相手に戦線を維持しようとしていたイギリス兵の前に、空から輝く天使が降臨。天使の弓兵によって助けられたという逸話が伝わっている。
結局、イギリス軍はドイツ軍に対して非常に劣勢であったにもかかわらず、信じられないほど損害を軽微に抑えることができた。
その後、この戦いの最中に天使が戦場に現れて英国側を助けたという話が囁かれるようになった。
この天使は弓兵の幽霊だそうで、戦闘中にこれらの存在が現れたのはイギリス側に神の摂理があったからだという話になり、当時は大きな論争になった。中には天使の弓で矢傷を負ったドイツ兵がいたという話もあった。
これらの話は後に作家のアーサー・マッケンが地元紙に「弓兵」と題する作品を発表したことによるものであるという結論になった。
モンスの天使のような事例は確かに兵士の士気を高めるのに役立ったが、兵士が実際に見たものというよりは架空の短編小説を下敷きに生まれた創作であると考えた方が良さそうだ。
(山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 ウィキペディアより引用