小川ローザは、モデル(主にトヨタレーシングチームのマスコットガール)として活躍した人物。
一見ハーフのような名前は芸名であり、本人は生粋の日本人。レーサーであった川合稔と電撃結婚をするも半年後に川合がレース中に事故死、その後イタリアで5年ほど滞在後、都内のファッション系輸入会社の店長としておよそ30年活躍していた。
1969年に放送されていた丸善石油(現コスモ石油)のCMに出演したことで知られており、猛スピードで走り去る自動車が巻き起こした風によってスカートが捲れ、彼女が「Oh!モーレツ」と叫ぶその内容は、当時多くの子供たちがマネをするほどに一世を風靡した。
この強烈なインパクトを残したセクシー描写は、同時期に人気を博していた漫画家・永井豪の作品『ハレンチ学園』の相乗効果も伴い、当時「スカートめくり」が社会現象になるほど流行した要因の一つだと言われている。
この時の撮影は、風を起こすために大きな送風機を2台使用していたという。そのため、スタジオは底冷えしてしまい、現場は体が冷え切るほどに寒かったそうだ。
CMのわずかな場面からは容易に想像できないが、彼女自身は”モーレツ”な寒さと戦っていたようだ。
もう一つ彼女のセクシーさを象徴するエピソードとして、バラエティ番組『コント55号の裏番組をぶっ飛ばせ!』がある。
この番組は、ジャンケンで負けると衣類を一枚ずつ脱いでいくことでお馴染みの「野球拳コーナー」が人気を博したことでも有名だ。このコーナーでは、女優の桑原幸子、歌手の都はるみや小柳ルミ子など多くの女性有名人たちがジャンケンに負けて脱がされていった。
小川は、1969年7月6日に放送された回に出演し、野球拳の洗礼を受けることになる。なんと彼女はジャンケンに負けまくった末に、バスタオル一枚というセミヌード状態になってしまった。
もともと、「裏番組をぶっとばせ」は、実際の裏番組である大河ドラマの視聴率に挑むということで命名された番組であったが、小川のセミヌードによって29.3%、同日の裏番組である大河『天と地と』が27.6%と、タイトル通り”裏番組をぶっとばす”快挙となった。
小川の芸能界での活動は、CMでの登場から川合との結婚までの間、わずか1年というきわめて短い期間ではあったが、それにも拘らずこれほど多くの人たちの脳裏に残り、主演ドラマも制作され、おまけにポスターの盗難が頻繁に起こるほどの人気を博した人物は、彼女以外に類を見ない。
彼女が当時リリースしたシングル『風が落とした涙』の一節、「想い出は帰らない 涙と一緒に消えたから」は、まるで彼女の怒涛の人生を暗示するかのようである。
【参考記事・文献】
・https://www.news-postseven.com/archives/20110310_14666.html?DETAIL
・https://www.kokusai-singlemama.com/columns/ogawa-rosa-jinsei/#toc5
・https://blog.goo.ne.jp/8823blue/e/476ff07cbdb7bcb90585327a66a2356e
・https://kurihara19.exblog.jp/32257886/
・https://www.asagei.com/excerpt/42312
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【文 ナオキ・コムロ】