ザ・グレート・カブキは、元プロレスラーとして活躍した人物。その名の通り、歌舞伎風メイクを施したヒールのペイントレスラーとして知られ、日米を股にかけて暴れ回り、アメリカへ本格進出してからは「東洋の神秘」の異名で呼ばれ大ブレイクを果たした。
カブキはもともと、宮崎健の高千穂明久というリングネームで堅実なファイトスタイルの中堅レスラーとして活躍していた。1970年代になってアメリカマットで活躍する中で、彼はそれまでの日系人レスラーのスタイルと変わり映えしていないことに悩んでいたが、そこで出会ったのがプロレスラーのゲーリー・ハートだった。
ある時、ゲーリーが歌舞伎役者の写真が載っている雑誌をカブキに見せてきた。
「こういうマスクマンにならないか」というオファーだったのだが、ゲーリーは歌舞伎の隈取(くまどり)をはじめは覆面だと思っていた。そこで「これは覆面ではなく化粧だ」とカブキが説明したところ、「それならペイントで」と言われ、それならやってみようかということでザ・グレート・カブキのキャラクターの基盤が形成されたという。
1980年代に入り、般若の面を付けた連獅子姿や鎖帷子(くさりかたびら)をまとった忍者姿、日本刀を持った鎧武者姿など日本風のどこか不気味でインパクトのあるコスチュームで入場を行なったことで注目されるようになり、ヌンチャクを両手で振り回すパフォーマンスで人気を博した。
また、カブキといえば、口から霧状の液体を吹きかける「毒霧」が有名だ。
毒霧は、相手の視界を遮るいわば反則技の一種であり、またそれまでの試合の流れを一変させる効果をもたらす技としても知られている。カブキの後継者ザ・グレート・ムタ(武藤敬司)、アジャ・コングなども使用したことがあるこの技の元祖とされているのがカブキだ。
この彼の毒霧のアイデアはどこからきたのか。ある日、試合後にシャワーを浴びている最中、口の中に入ったシャワーのお湯を天井目掛けて吹きかけると虹がかかった。
「あぁ綺麗だな」と何気なく見た瞬間・・・「これだ、色付きの霧を吹こう!」というアイデアを閃き、これがカブキの十八番となる赤や緑の毒霧となったという。
この毒霧はゴム風船に”素”を入れて、吹き出すタイミングでゴムを噛み千切り吹き出すという仕組みだったという。このギミックは当初子どもたちの間で爆発的な人気となり、各地でジュースを吹き出す遊びが流行してしまい、プロレスを放送するテレビ局にクレームが殺到してしまったのだとか。
【参考記事・文献】
・https://x.gd/Z23sB
・https://x.gd/hVh42
・https://genkotu-essence.com/wrestling-poison-fog-mechanism/
・https://wanibooks-newscrunch.com/articles/-/3606#goog_rewarded
・https://times.abema.tv/articles/-/10064661?page=1
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【文 ナオキ・コムロ】
画像 ウィキペディアより引用
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