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人気ドラマ「ドクターX」大門未知子のモデルになった人物は実在する!?

Doctor-X(『Doctor-X 外科医・大門未知子』)は、フリーランスの女性外科医・大門未知子の活躍を描いたテレビドラマシリーズ。

2012年からの放送で当初は3部作予定であったが、あまりの人気ぶりから新シリーズやスペシャル版を制作、また多くのシリーズの初回視聴率・平均視聴率が同年の民放連続ドラマの中で最高を記録している。

「私、失敗しないので」を口癖とし、難手術を次々を成功させる外科女医を描くストーリーは、女性版『ブラック・ジャック』に『医龍』『白い巨塔』といった医療ドラマと『半沢直樹』のような痛快な主人公を合体させたようなものと比喩される。

なお、本シリーズにも登場した岸部一徳や西田敏行は、それぞれ過去に大人気だった医療ドラマの『医龍』『白い巨塔』にも出演している。

主人公である大門未知子を演じるのは米倉涼子であるが、彼女の考案した設定が繁栄されている面もある。のちのシリーズでは割愛されることも多くなったが、大門には「術後にガムシロップをコップ一杯分飲み干す」というルーティンがある。

これは、米倉自身が知人の外科医から、「チームで手術を終えた後、キンキンに冷やしたガムシロップをジョッキに入れて乾杯する」という話を聞いたことにヒントを得て、脚本に入れてはどうかと打診したことに由来するという。

これは、長時間集中していた脳を休ませるためのものだそうだが、実際に米倉が試したところ、やはり甘すぎて飲めなかったとのこと。

また、術後に患者の胸に手を当てる大門の印象深い仕草も、米倉の提案によるものであったという。

作中では特に語られてはいなかったようだが、これも米倉がある医師の先生から耳にしたもので「どんな人間だろうと関わった人には親身になって手術をし、『お帰りなさい』『お疲れさま』という気持ちを持つ」ことを意識したものであるそうだ。

こうしてみると、医師役を務める上での米倉のリサーチとリスペクトが相当なものであることがわかる。それを特に象徴するのはオペのシーンだろう。

医療ドラマにおいて、オペで手元がアップされるシーンはよくあるが、多くの場合はその場面の時だけ専門家が代役をしているのだが、本作ではシーズン1からほぼ米倉自身が演じているという。

そんな米倉が、オペのシーンより難しかったのは「手を覚えつつセリフも言わなければならない」麻雀のシーンだったそうだ。

ところで、この大門未知子についてはモデルとなった人物が存在すると言われている。

本作の脚本を手掛けたのは、『ハケンの品格』『花子とアン』などのヒット作を生み出した中園ミホである。本作において中園は、大門のようにフリーランスで一匹狼の医者という存在が日本にいないということから、そのキャラクターを生み出すことに大いに苦戦、当初は無口な外科医にしようかとすら思っていたという。

その頃、2012年ロンドンオリンピックが開催。ある時、中園がふとテレビをつけると柔道の決勝戦、そこには闘志むき出しの松本薫選手が登場し、柔道で日本人唯一の金メダルを獲得した。

獲得後のインタビューで答えた彼女の「私、ミスしないので」というコメントに衝撃を受けた中園は、これによって大門未知子像を完成させることができたという。

医療ドラマでありながら、そのモデルは医者ではなく柔道家だった。因みに、2019年の第6シリーズ制作発表会見では松本がサプライズ登場し、米倉をはじめレギュラーキャスト一同を驚かせた。

【参考記事・文献】
https://www.jprime.jp/articles/-/11135
https://no-dorama-no-life.info/5205
https://jisin.jp/entertainment/entertainment-news/1611369/
https://www.tv-asahi.co.jp/doctor-x_06/news/0008/
https://zatsuneta.com/archives/003616.html
https://moviewalker.jp/news/article/1231651/

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【文 ナオキ・コムロ】

画像『【TVドラマ・ノベライズ】Doctor-X 外科医・大門未知子 (宝島社文庫)