西田敏行は、俳優、歌手、タレントとして活躍した人物。
テレビドラマ『西遊記』の猪八戒役で広く認知されるようになり、映画『釣りバカ日誌』シリーズの出演の他、『探偵!ナイトスクープ』の2代目局長を務め、人情味があり非常に涙もろい人物だった。今年2024年10月17日、多くのファンや関係者から惜しまれながら逝去した。
包容力のある優しい笑顔が印象的であった西田であるが、いっときとある噂がネットを中心に広まることになった。それは、「西田敏行は骨折の愛好者」というような実に物騒なものだった。
噂によると、西田は風俗嬢を呼ぶと相手へ大金を見せて土下座し、最高の病院を紹介するから腕の骨を折らせてくれと頼み込んだという。
この話は、金額が指の骨1本で100万、腕1本で600万という具合にどんどんと内容が盛られるようになり、さらには「カンボジアで薬物を吸引しながら少女の骨を折って楽しんでいた」という話が、実話系メディアによってXという伏字の形で報じられた。
ではなぜ、この人物Xが西田敏行と推測されたのだろうか・・・
某ゴシップメディアによると、当該人物は「包容力があって優しそうなイメージとは違って本性はドS」「還暦を過ぎても精力的に仕事をこなし続ける」「映画やドラマでも活躍するベテラン俳優」という具合に紹介され、明らかに西田を意識したものとなっていた。
この衝撃を与える噂の拡散を見るに見かねて、2016年8月には事務所から西田の誹謗中傷する噂に対して「法的責任を求める」という発表がされた。だが、この発表はむしろ「事務所が事実を隠蔽しようとしている」と多くの人たちは勘ぐったようだ。
さらに、同年2月に自宅のベッドから転落し「頸椎亜脱臼」と診断され、休止をしていた頃には、西田が薬物使用しており「その証拠を隠すために入院している」という噂まで広まるようになった。
このことは同年『ドクターX』の制作発表会見に於いて、西田本人がこの噂について言及し否定をするという異例の事態にもなった。
この本人からの発表によって一時は沈静化を見せるが、そもそもなぜこのような噂が広まるようになってしまったのか・・・
実は、この噂はもともと全く別の人物のものであった。
その人物は、ハードロマンという作風で知られていた西村寿行(じゅこう)だ。
暴力描写の強い小説家として知られていた西村について、かつてネットの大型掲示板にて「西〇〇行、SMクラブ常連。嬢に『100万円で腕を折らせてくれ』と迫る」という具合の書き込みがされたという。
もちろん、西村にもそのような事実は確認できない。だが、この伏字表記がたまたま同一となる西田敏行をイメージさせるものであり、それに加えて役柄や人格とのギャップによって独り歩きしていくようになったようだ。
つまり、元々は西村寿行に関しての噂であり、それが西田敏行とすり替わってしまったというわけだ。
一連のデマは近年、東谷義和(ガーシー)によって風俗嬢の証言として喧伝されたことが発端となり、再燃と言えるような状況となっていた。影響力の高い人物からのいわゆる”暴露”でもあったことから、事実だったのだと捉える人も増えたのが本当の話である。
これは、噂が業界内で浸透してしまっていることによる弊害であるのかもしれない。ただし今後、SNSなどに於いて、このような怪情報を流布した者には重い処罰が科されることになるだろう。
【参考記事・文献】
・https://chanceman.work/the-truth-about-toshiyuki-nishidas-fracture-mania
・https://thanks-blog.com/nishidatoshiyuki-proclivity/
・https://ameblo.jp/krakuchin-dou/entry-12871707245.html
・https://x.gd/5RX3i
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【文 ナオキ・コムロ】
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