スピリチュアル

「怪異小ネタ集」

【星️天井に現れるモノ】

50年代、生まれ故郷の長崎でのことです。

2、3歳ごろ、祖母の家に泊まるとよく視ました。天井から私を見下ろしニタニタする、金属の湯たんぽに似てる顔。

湯たんぽの波の間の谷の中に小さい目と口が有り、ぐるぐるっと回りながら消えていきます。

私は「モモノ、こわーこわー、アボジョ、こわーこわー」と叫んで大泣きしたそうです。

モモノってなんだろうねぇ、もののけのことだろうかって母たちは知らない言葉に首を傾げたそうです。アボジョというのは長崎の幼児語でお化けのことです。

【星️崖から落ちて】

同じ頃、これは私の記憶はなく、母に聞いた話です。

母とお墓参りに行った時、母がナムナムしてる隙に私は一人歩きし、3mの崖から真っ逆さまに落ちました。

おでこを石か何かで切って、頭のことですから血が吹き出し血まみれ。母は動転して(これではもうお嫁に行けない、この子と一緒に死のう!)と思ったそうです。

そこへ通りかかった中年女性が「死ぬのは後にして、まずは病院へ行きましょう。すぐそばに名医がいるから」と、道案内してくれたそうです。

医師は本当に名医だったらしく、ぐちゃぐちゃになってる私の額の皮を伸ばし広げ、左側の隅に集めて、横向きに3針で縫い合わせてくれました。傷跡は薄っすらシワのように残りましたが誰も気がつかない程度です。

導いてくれた女性にお礼を言う間も持てず、病院の人も見ておらず、近所を聞き込んでも分からず、その方とはそれっきりだそうです。

なぜ「死ぬのは後にして…」って、その人が言ったのか、不思議が残っています。私は、その時に頭を打ってから色々おかしなものを見るようになったのじゃないかって思っています。

【星️愛犬の生き霊?】

私が生まれる前から我が家にはチビという名の雑種の大型犬がいて、私は彼のことを兄だと思って育っていました。

3、4歳の頃、庭でチビと遊んでいて、ふと思い立ってチビに「ちょっと待っててね」と言って、おもちゃを取りに家に入りました。

私のおもちゃ置き場は半間の押し入れです。そのカーテンをめくったらチビが座っていました。身体は透き通っていて後ろの棚が見えます。

少し怖くなって走って庭に戻ったらチビがニコニコ笑って座っていました。

【星️お雛様】

お雛様の三人官女は大抵、真ん中の人が座っていますが、私のは真ん中の人だけ立っていました。

6、7歳の頃だったかの雛祭りの頃、夜中にふと目が覚めて雛壇を見たら、なんとその立ってる上臈さまが腕枕で横になっていました。

私はそのまままた眠りについてしまい、朝、目が覚めたらすぐに確認しましたが、いつも通り三方を捧げ持って立っておられました。

【星️紫色の小さなもじゃもじゃ】

60年代、名古屋へ引っ越しました。

8、9歳ごろの夏の夕方、私の部屋には西陽が差していました。部屋の真ん中に紫色の小さな雲のようなものが浮かんでいます。

何だろうとよく見たら、細ーい飴の糸のようなものがもじゃもじゃとし、中の方は黄色い稲光のようなものがチリチリ光っていました。

手のひらに乗せるようにし指を折り曲げて包み込んだら、何の感触もなく指の間から霧のように、すふっと抜けて消えていきました。

大人になって気がついたことなのですが、あれはミロの「アズールのゴールド」という作品に酷似していました。

【星️山道ですれ違った少女】

名古屋の中で引っ越しし、織田家の砦跡のある山の上に住みました。

11歳ごろ、夏の夕暮れ時に砦の脇の急な坂道を登って帰宅していました。すると向こうから私より小さな女の子が歩いてきます。

街灯も少ない山道ですから私だって少し怖い時間と場所です。「どこへ行くの?」と訊くと、「おばあちゃんち」と答え、「一人で大丈夫?」って言ったら「大丈夫」と答えます。

坂の両脇は雑木林と崖。道沿いに家は一軒だけ。その間に女の子はさよならって言ってひょこひょこと坂を降りて行きました。

私はふと、『今、この子を殺しても誰にも判らないんだろうなぁ』などと恐ろしいことを考えました。崖の脇の細い水の流れからぼんやり緑色した蛍が1匹浮き上がりました。振り返ったら女の子はもう闇の中で見えませんでした。

時々、この事を思い出します。もしかしたら私はその子を殺しちゃったんじゃないかと思って背筋が凍ることもありました。

ちなみに、その山へ引っ越してきた時、同級生やその親御さんに「あそこは鎧武者の幽霊が出る」って脅かされましたが、そのようなことは一度もありませんでした。

少女時代編でずいぶん長くなりましたのでこの辺りにしておきます。この後、70年代にはUFOや河童や宇宙人?と遭遇します。よろしければまた、別便にてお送りいたします。

(アトラスラジオ・リスナー投稿 MKさん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)