サブカル

ケータイの壁紙から名前を騙った迷惑メールまで「美輪明宏」の不思議なブーム

2022年1月、台湾にてスマホの壁紙に「美輪明宏」の画像を設定することがブームになっているとして話題となった。

このブームの発端は、台湾在住のインスタグラマーが美輪の数奇な人生についてシェアし、その後台湾版5ちゃんねるとも言われる総合掲示板サイト「PTT」にて、あるユーザーが壁紙を美輪にしたことで運気が良くなったと書き込んだことで一躍広まることになったとのこと。

このことは美輪自身も把握していたようであり、同年10月に『徹子の部屋』へ出演した際には黒柳から話題として取り上げられていた。

この台湾でのブームが日本でも話題になった理由の一つには、かつて日本国内でも同様のブームが起こっていたことにあっただろうと思われる。2000年代、当時携帯電話が広まり始めたこの頃、美輪明宏の画像を壁紙にすることで運気が良くなるという、台湾のケースと全く同様のブームが若者を中心に広まっていた。

この時のブームのきっかけは、当時放送されていた人気スピリチュアル番組『オーラの泉』であったと言われており、メインの出演者の一人であった美輪の神秘的な雰囲気にあやかり、このいわば都市伝説が広まったとされている。

画像は、美輪がまとう衣装の色の違いによって計5種類が存在し、モノクロは全体運、紫は健康運、赤やピンクは恋愛運、青は仕事運、そして金色が金運と、細かく設定されているようだ。

また詳細は不明ながら、美輪によると、自らが翻訳し歌唱したフランスのシャンソン曲『メケ・メケ』を発表した1957年頃、この曲のヒットとともに「同じこと」が起こったということを前述の「徹子の部屋」にて語っており、「定期的にそういうことがあるみたい」とコメントをしていた。

江原啓之や細木和子といった他の名の知れたスピリチュアリストや占い師といった人物がこれまで幾人も存在していながら、彼ほどこのような不思議なブームの発信元となった人物は他にいないだろう。

しかし、その知名度は反面、良からぬことに利用されるという事態にもなってしまっている。

詐欺や迷惑メールにおいて、有名人の名前、あるいはその有名人を連想させる一部伏字した表記の名前を使用したケースは非常に多い。そうした中で、「美輪明宏」の名前が利用されているケースは特出しているとさえ言われている。

2024年5月には、「私は美輪明宏です」とのメッセージをケータイで受け取った60代の女性が、本人であると信じて何度かやり取りを重ねた末に、「私とこのまま話すために口座へ1000円を振り込みなさい」と指示されたという事件があった。この時は、女性がATMの使い方がよくわかっておらず、銀行員に相談したことで事態が発覚し事なきを得た。

美輪明宏の名を騙る迷惑メールはガラケーの時代から存在しているが、あるライターの調査によると2015年までの時点で4種類ものバリエーションの美輪明宏迷惑メールが確認されているという。

それらは、差出人名が「【美】明宏【輪】」「【美しき輪】明宏」「宏明∞愛の伝道師∞美輪」「明宏【救いの伝道師】美車侖」と段階を経て妙に創意工夫がなされており、第2形態目とも言える「美しき輪」のバージョンについては、わずか3日間しか確認されていない非常にレアな迷惑メールであるという。

なお、美輪の公式サイトでは、美輪の情報発信は「公式サイト」および「公式携帯サイト」のみであり、またSNS等は一切行っていないということで注意喚起されている。

スピリチュアル界において最も知られている人物といっても過言ではない美輪明宏の、こうした本人の知らぬところで浸透する不思議なブームは、壁紙ブームと同様に今後再び発生するのかもしれない。

【参考記事・文献】
https://rocketnews24.com/2015/04/16/570698/
https://x.gd/L7yFf
https://kyoumachi-shinjuku.com/miwa-matiuke-saikyou/#index_id1
https://verdy-saijohigashi.jp/miwaakihiro-standby-screen/
https://maidonanews.jp/article/14520862
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1167876?display=1
https://x.gd/p2mrk

【アトラスニュース関連記事】
相手の予知や動物に影響も「美輪明宏」のスピリチュアルエピソード

【世紀の舌戦】「石原慎太郎VS美輪明宏」水面下で噴出!?何を呪った?

【文 ZENMAI】

画像『あなたの人生を導く-美輪ことば (単行本)