夜那(ヨナ)です。生きていない猫つながりで思い出したことがありますので投稿させていただきます。少し長くなるかもしれませんが読んでいただけたら嬉しいです。
私が見る生きていない猫はどこの子かもわからない見知らぬ猫ばかりなのですが、一匹だけ名前の付いた猫がいます。冬に道端で凍えているのを保護したけれど、一晩で死んでしまった黒猫でツンちゃん(仮)といいます。
名前をつけて我が家の子として火葬をしたせいなのか、死んでわりとすぐ後からたまにふらりと現れて生きた飼い猫まーちゃん(仮)と遊んでいたりしました。
十年近く前の話になります、ツンちゃんが死んでから半年ほどした頃です。
ある時それまで見かけていた生きていない猫たちやツンちゃんを最近見かけてないなぁと気が付きました。そして同じ頃当時住んでいた家の仏間が、大きな窓もあるのになんだか暗く、空気が張っているような居心地の悪い感じがするようになりました。
当時の家は前夫の実家で、仏間は亡くなった義両親の仏壇があり時々亡き義父の気配がする穏やかな空気の部屋だったのですが、いつのまにか雰囲気が全然変わってしまい、しかも仏壇の扉は開いているのに見えない扉が閉まって拒絶されているようなイメージがして近づき難くなっていました。
自分の気のせいだと思うようにして過ごしていたのですが、なかなか改善しないのである日職場の色々視える同僚に、「なんか最近仏間が暗いんだよね、なんか粗相でもしたかな?」と話しました。
すると同僚が少し考えてから、「最近まーちゃんを玄関に締め出したことなかった?」と言ってきたのです。
当時の家は雪国なので玄関の戸の外に雪よけの玄関フードのあって、玄関フードには除雪道具や草刈り道具と除草剤などが置いてありました。猫がそこで遊ぶと危ないので、人間が出入りするときに行かないように猫の姿を確認しながら出ないように注意していたのです。
言われてみるとツンちゃんたちを見なくなった頃に一度だけ、あれだけ注意していたにも関わらず玄関フードに閉じ込めていたことがありました。
「一回あった。台所の方に入ってく尻尾を見たから玄関閉めたはずなのに探したらいなくて、なんでか玄関フードにいた」と言うと、
「あなたのおうちになんかよくわからないけど黒いやつがいるね。そいつが来たとき、まーちゃんは玄関に黒猫がいてそれをツンちゃんだと思って追いかけたみたい。けど行ってもツンちゃんはいなくて、そのままウロウロしてる間にあなたが気が付かないまま戸を閉めたみたい。あなたがまーちゃんの尻尾だと思ったのもその黒いやつだと思うんだよね」とのことでした。
「あなたのおうちにはお義父さんもいるし、普段はまーちゃんがそういう系を入れないようにしてるみたいなんだけど。 遊ぼうと思って騙されちゃったのかなとは思うんだよね、それが何をしにきたのかまではわからないなぁ。ツンちゃんはそいつが怖いからでてこないっぽいね。お仏壇に関しても、お義父さんはあなたのこと拒絶してるんじゃなくて多分それのせいだと思うけどねー」とのこと。
結局それ以上その黒いものが何なのかも、来た理由もわからないとのことで、その後もずっと仏間は気持ち悪いまま過ごしました。
飼い猫のまーちゃんも私が家にいる間は常に私が視界に入っていないと嫌なのか、常についてくる状態でした。どうしたものかと考えている間にも、私自身も何度か夜中に黒いモヤのようなものがスッと消えたりバランスの悪い黒い人影を視界の端を通るのを見ました。
そのまま数日して、気持ち悪くてもたまに掃除はしないといけないと思い仏間の掃除をしていた時です。
直感的にもしかしてこれが原因では?と思うものを見つけました。ツンちゃんを保護するひと月前に私が初期の流産をしたときの、流産する直前のエコー写真でした。
流産後の手術のときに夢に生まれてこられなかった子供を抱いて、お義父さんが出てきてくれたことがありましたので、エコー写真を自分の数珠入れの中にしまって、お義父さんにお盆に供養をお願いするまでこの子をお願いします、と手を合わせてお仏壇に置いておいたものです。
(※前の夫はお寺と仲が悪く、すぐに供養等をお願いできる状態ではありませんでしたので、年に一度棚経の時までお坊さんにお会いできませんでした)
何故かその時ふと、『もしかしたらあいつはちゃんと供養できていない子供が欲しいのかもしれない』という考えが強く頭に浮かんできました。
流産のショックをまだ引きずっている頃でしたので、一度そう思い始めたらそれ以外の考えが浮かんでこなくなり段々腹が立ってきました。
「なんで母親の私が手にできなかった子供をお前なんぞが手に入れようとしているのか。そもそもお前は何様だ、勝手に人の家にはいってきてあげく子供に手を出そうなんざいい度胸してんじゃねえか」
等々、あまりに腹が立ちすぎて、実際はもっとここに書けないくらいの口汚くありとあらゆる暴言罵倒を連日頭の中で繰り返し黒いやつにぶつけ続けまくりました。
そんなことを続けていると、出勤して同僚に会った時に開口一番「あんた何したの・・・」と言われました。
「あなたの家から黒いのがいなくなってるんだけど、いなくなってるというか、ぶっ飛ばした?っていうか。 超力技で問答無用でぶん殴って消滅させたイメージが見えたんですけど。あなたのそういうとこ嫌だよねえ、怒らせるとそういうことできちゃのがめちゃくちゃ怖いよね。あ、仏間はまだお義父さんが一応様子見てるみたいだけど、そのうち元に戻ると思うよ」
その後同僚の言ったとおり、仏間も元の穏やかな部屋に戻って、徐々にまた生きてない猫たちも家を通過していくようになりました。
未だにあの黒いものが本当は何をしに来たのか、私が思い込んだように本当に子供を狙っていたのかそうではなかったのかはわからないままです。
その後、離婚してその家を出るまで猫以外の変なものは殆ど現れず、家の中も仏間も穏やかなままでした。
未だに黒いやつの正体が気になってはいるので、もし死んだ子供を狙う妖怪や悪いものがいるのであればお教えいただけたらと思います。
今は全く違う遠い土地に越しましたが、いまでもツンちゃんはたまに遊びに現れることがあります。猫は家に付くと言いますが、生きてない猫に家や距離は関係ないものなのでしょうか?
私が具合が悪い時に猫腹巻になってくれる優しい子なので早く生まれ変わって今度は幸せになってほしいのですが、まだ予定はないようです。
P.S 「猫腹巻」は同僚の表現なのですが、私のお腹にべろんと長く腹巻みたいに巻き付いていたそうです。同僚は見て爆笑しておりました、私も見たかったです・・・
(アトラスラジオ・リスナー投稿 夜那さん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
Photo credit: concretecandy on VisualHunt