鶏が先か卵が先か?鶏が先なら何から孵化したのか、卵が先なら何が卵を産んだのか?この問題は明確な答えがないまま、頭を悩ませる問いとして人気がある。
この問い自体は、深刻な疑問というよりは、修辞的な批判的思考を促す練習のようなものだが、ジュネーブ大学の科学者による新たな発見は、実際にその答えを提供するのに役立つかもしれない。
それは、浅い海底に生息し、繁殖時に動物の胚に酷似するという珍しい特徴を持つ、クロモスファエラ・パーキンシー(Chromosphaera perkinsii)と呼ばれる奇妙なタイプの魚鱗胞子微生物に関するものだ。
この生物は、動物が出現する10億年以上前から存在していたことを考えると、鶏よりもずっと前から存在していた、いわば冒頭フレーズの「卵」を表している。
スイス連邦工科大学の生化学者オマヤ・ドゥディンは以下のように語った。
「クロモスファエラ・パーキンシーは単細胞生物です。ですが、このアクションから、多細胞生物の持つ調整と分化のプロセスが、地球上に最初の動物が出現するはるか以前に、すでに存在していたことがわかります。言い換えれば、卵が誕生する前から、生命は卵のための『プログラミング』を発達させていたということです。我々の研究は、クロモスファエラ・パーキンシーが時間的細胞分化と空間的細胞分化の過渡的な形態であることを示しており、動物の多細胞性の出現をもたらした進化のメカニズムについての洞察を与えるものです」
【文 ナオキ・コムロ】