大学でも人気のあったその女性は男子学生の憧れの的であった。
「彼女と付き合いたいな」
「おまえじゃ無理だよ」
「そういうおまえだってさ〜」
同じキャンパスの男子の視線は彼女に釘付けであった。
そんな中で、年に一人ぐらい幸運な男が彼女と付き合う機会に恵まれるのだが、その男も交際後は1ケ月ももたないのだ。
「彼女意外に強いのかも」
「強いって性格か?あっちの方か?」
「おいおい」
男子学生はその不思議を語り合ったが何の手がかりも得なかった。また付き合った過去の彼氏に聞いても別れた理由については頑として口を割らなかったという。
「もう思い出したくないんだ」
数人の彼氏はそう言った。
ある時 Yさんはその彼女とあるイベントで同席し、付き合う事になった。嬉しくてYさんは、仲間に自慢しまくったという。
そして、初めてのエッチを彼女の部屋で行った。感度もよく、歴代の彼氏は、なんでこんなよい女を手放したのか、Yさんは不思議でしょうがなかった。
ある時、彼女の部屋で一緒にベットで寝ていたYさんは彼女に質問してみた。
「もし、俺が浮気したらどうする?」
「もちろん、刺すわよ。死なない程度にね」
Yさんは頭をかかえて笑った。
「はははっ、こりゃ、マイった」
「私以外の女は見ちゃダメ!」
『彼女って意外にヤキモチ焼きなんだ。なんだそれぐらいたいしたことはないじゃないか』・・・そう想いながらYさんがベットの枕の下を探ると固い金属のようなものがあった。
取り出して見ると、よく切れそうなナイフだった。
(山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)