葬儀屋の仕事を世間の皆さまはどの様なイメージで捉えていますか・・・
毎日お亡くなりになられた方と接しており、夜でも病院の霊安室に一人で平気でいる、深夜の葬儀会館にご遺体と二人だけで過ごす、深夜のお寺でもへっちゃら、事件性があるご遺体を引き取るために警察の霊安室にも平気でいる、孤独死のご遺体を引き取りに行く、等の仕事をしているイメージがあるのではないでしょうか?
実際には人体の原型の留めない遺体を搬送車に乗せ遺体の壮絶な異臭と戦いながら車で移動する等をしていたり、霊柩車を一人で運転し、ご遺体と火葬場まで行くなど、神経質な方にはとても務まらない仕事だと考えます。
表向きはお通夜や葬儀の準備進行やご施主様、ご親族様のお世話をしたりするとも思われがちですが、その影では大変な思いをしながらお亡くなりになられた方をあの世に送るデリケートな仕事なのです。
警察の検案を受けたご遺体などは事件性があったりして、死亡検案書などからどの様にしてお亡くなりになられたのかが書類に記載してあったりします。
焼死や溺死、転落死、アパートの浴槽での変死など自殺か他殺かの判別のつかない疑惑の死もあるのです。
お亡くなりになられた方のご親族様には様々な人間模様があり、ある程度、割り切った考え方をしないと精神的に仕事の継続に支障をきたす場合があるのです。
そんな中で、私としてはちょっと気が載らない仕事のルーティン作業があるのです。
それは毎日会社に一番先に出勤し、遺体安置室の鍵を開けて入る瞬間が一寸緊張する瞬間なのです。
何故かと言うと。遺体安置室のドアを開けた瞬間、もしそこに幽霊が居た場合ちょっと怖いだろうと予測できるからです。もし仮にドアを開けた瞬間、その部屋に亡くなった方の幽霊が居た場合はドアを閉め直し、気持ちが落ち着くまで待ってから再度霊安室に入ろうと心に決めております。
毎日、遺体安置室のドアを開ける前にドアをノックし、「私はこれからこの部屋へ入りますよ、もし幽霊が居るならば消えて下さい」と意思表示してからドアを開けるのです。
その暗黙の対応で過去に幽霊さんと遭遇することは避けてこれました。
そんな葬儀社で働く人の中にはその霊安室で亡くなった方の霊と遭遇し恐怖で霊安室から逃げ帰り、震えながら上司の出勤を待ち、その場で会社を辞めていく人も少なくないのです。
私は葬儀社を二社ほど経験しておりますがその中で、二名で当直中にポルタ―ガイスト現象にあった事がございます、その体験談はまた別の機会にお話ししたいと思います。
(アトラスラジオ・リスナー投稿 元葬儀屋さん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)