パワースポット

チベットの遊園地に設置されたドカベン「山田太郎」の謎のオブジェ

水島新司の野球漫画『ドカベン』の主人公といえば山田太郎、通称ドカベン。

連載開始の都合によって柔道から出発した本作において彼の勝負強さは一貫しており、気は優しくて力持ちを地で行くその人柄、その反面に野球などの勝負事が関わることで審判をも騙し、時には仲間を発奮させるために非情な発言をするといった面も持ち合わせたキャラクターである。「捕手(キャッチャー)イコール太った人」のイメージを強めたキャラクターの筆頭としても知られる。

彼にまつわる小ネタとも言えるべき話はいくつか存在する。

彼と非常に共通する部分が多いと言われている実在の人物に炭谷銀仁朗がいる。作中にて山田は、東京スーパースターズという球団に所属しているが、ドラフト1位で最初に入団したのは西武ライオンズである。炭谷もまた、ドラフト1位で西部ライオンズに入団したのが最初(ジャイアンツや楽天を経て現在西部に戻っている)。

また、ドカベンの実家は畳屋であり、作中でも畳職人として彼のお爺さんが登場。炭谷も実家が「炭谷畳店」という老舗の畳屋であり、彼のオリジナル応援グッズには、畳屋であるだけに藺草が用いられたものもあるほどだ。さらに極めつけは、山田も炭谷もそのポジションが捕手である。

これらの共通点から、両者が重なるという声がファンの間でも広く囁かれていると言われているが、肝腎の炭谷本人は、残念ながら『ドカベン』を読んだことが無かったそうだ。

さて、近年にはこの山田太郎が思いもよらない場所で発見されたという情報もあった。新潟県にある水島新司漫画ストリートでは、山田太郎をはじめとした「ドカベン」に登場するキャラクターなど数体の銅像が設置されているが、なんと山田太郎のオブジェが日本国内の海外で見つかっている。

2022年に、SNSを発信源として話題となった話によると、チベット自治区の「徳吉羅布児童楽園」と呼ばれる遊園地の中に、山田太郎のオブジェが置かれている。

中国において「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」といった日本のアニメ作品が人気を博していることは知られている。加えて、こうしたアトラクションにおいては、ディズニーやその他有名キャラクターが極めて粗雑に模倣されていることも中国ではよく見られる光景として認知されている。

しかし、ドカベンというのはあまりにも予想外な存在であり、果たして現地においてどれほどの人気があるかすらもわからない。そもそも、中国にはプロ野球球団はあるものの野球そのものは人気のあるスポーツというわけではないとのことであるため、ますます山田太郎のオブジェの使用が奇妙である。

2017年時点で撮影された写真を確認すると、ユニフォームのMEIKUN(明訓)の赤文字がほとんど色褪せており、他もところどころ退色していることから、それなりの年月が経過していることが伺える。完成度は非常に高いため正規品ではないかとも考えられているが、設置理由については全くわかっておらず謎に包まれている。

因みに、この遊園地はあまり客入りが無いらしく、そもそも山田太郎が注目のキャラクターとして大きく宣伝されている様子も一切見られないという。

【参考記事・文献】
炭谷銀仁朗の実家は畳屋!?父・母・兄弟についても調べてみました!
https://base-ball.jp/ginjiro-sumitani-2/
漫画ドカベンの実家は畳屋
https://x.gd/CFOQh
もしかして白雪姫ですか? 日本人の度肝を抜く「中国奥地のヤバい遊園地」を仰天リポート!
https://www.jprime.jp/articles/-/25924
なぜ「ドカベン・山田太郎」がチベットに!? ラサの遊園地に設置されたオブジェが話題
https://yorozoonews.jp/article/14513847

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【文 ZENMAI】

画像『ドカベン プロ野球編 (1) (秋田文庫 6-67)