黒坊主出現!?

今から4年前の年末に起きたことであった。筆者は暗所恐怖症のため、必ず電気を点けたまま寝ていた。それにも関わらず、この世の者でない訪問者が現れる時が度々ある。

夜中にふと目を覚ますと、筆者の身体をべたべた触る黒い影が見えた。顔全体が丸くて大きな目玉が2つと舌があるだけの妖怪のように見えた。金縛り状態で身動きがとれなかったが、声を振り絞って「やめて!」と言った。すると、その真っ黒な妖怪はきょとんとした表情を浮かべて消えていった。

あんな妖怪がいるのかと、ネットで検索したら最も近い情報がすぐ出てきた!大入道や海坊主とも姿が近いが、特徴から黒坊主(くろぼうず)という妖怪であることが分かった。驚くべきことにこの妖怪が出現したという事実が、明治時代に『郵便報知新聞』第663号の記事にされていたのである。




東京都の神田の民家に毎晩0時頃に現れていたらしく、寝室で寝ていた人妻の寝息を吸い取ったり唇を舐めたりしたとされる。色情的で気味が悪い妖怪である。最悪なことに、黒坊主の唾液が病気になるくらい生臭かったと報じられていた。

我慢ならない異臭に耐えかねて親類の家を頼っていたが、帰るとまた元の有様だったようだ。だがいつの間にやら、音沙汰がなくなったらしく妖怪は消滅したのだろうか。

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山地乳(やまちち)という口先が尖った猿に似た東北の妖怪も、人の寝息を吸い取るが黒坊主ではない。民俗学者の藤沢衛彦の『妖怪画談全集』にも黒坊主の記事の挿絵が使われているが、「黒坊主・奥洲の山地々」と混同されてしまった。

高坊主(たかぼうず)という背が伸びていく妖怪の一種ともされている。熊野の七川(和歌山県)に出た黒坊主は、山中に現れ人間を襲うと言われていた。背丈が3倍以上にも伸びていき、銃で反撃するとさらに伸びていく。そして、逃げ足もかなり俊敏であったとされている。




江戸時代からある『三州奇談』でも似たようなことが伝えられている。能美郡の長田川(石川県能美市)の付近に現れた黒坊主も、伸び上がる特徴を持ち目鼻や手足がついているのか分からない姿だったそうだ。杖で突くと川へ逃げたようだが、カワウソだったのではないかとも言われている。今や愛くるしい動物としてペットにもされているが、かつてはカワウソも人を化かすとされていた。

筆者も見たように、黒坊主はおぼろげではっきり見える者ではないようである。また寝ている女性に卑猥な行為をした点が、神田に現れた黒坊主と共通している。筆者が見た妖怪も黒坊主だったのであろうか。

もし黒坊主に舐められていたなら、筆者も異臭の悲劇にさらされていたのであろうか。あるいは、黒坊主にも様々なタイプがいるのであろうか。筆者の前に姿を現したのは一度きりのことであったが、女性の方には特にご用心して頂きたい!

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(ふりーらいたー古都奈 山口敏太郎タートルカンパニーミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©ウィキペディア 『郵便報知新聞』第663号(月岡芳年画) 神田で女性を襲った黒坊主のことが報じられている 引用


 

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