ウルトラマンタロウは、昭和第2期ウルトラシリーズ第3作として、1973年4月6日から翌年4月5日まで放送されていた特撮テレビドラマである。
タイトルを冠するウルトラマンタロウ(通称タロウ)を主人公とし、また「ウルトラマンコスモス」で主演を務めた杉浦太陽が子どもの頃に七夕の短冊に「タロウになりたい」と書いた他、宮野真守や石黒英雄といったのちのウルトラ作品に関わった人物たちが特にタロウを好んでいたというほど、後世の出演者に大きな影響を与えた作品であると言われている。
実は、時代劇ドラマ「暴れん坊将軍」でお馴染みであった松平健は、若かりし頃にウルトラマンタロウの主人公である東光太郎役のオーディションに参加しており、なんと最終選考まで残っていたという。暴れん坊将軍の放送開始はそれから約4年後のことになるが、もし彼が特撮ドラマの主演により成功をおさめていたら、我々は上様を拝めることはできなかったかもしれない。
さて、そんなタロウには都市伝説めいた話ではあるが最終回にまつわる、とある話がある。最終回都市伝説というと、ウルトラマンが町を破壊して終了してしまうといったものもよく知られているが、タロウはまた毛色が違っており、それは「最終回が急遽差し替えられた」というものだ。
実際、ウルトラマンタロウの最終回は、東光太郎がある事情から変身アイテムを捨ててタロウとならず、生身の人間として敵であるバルキー星人を倒すという珍しい展開となっている。
都市伝説で語られるところによると、実は最終回の撮影で爆破の火薬量が多く、タロウの着ぐるみが焼けてしまい修復が間に合わなかったために急遽変身せずに敵を倒すというストーリーになったのだそうだ。
一説によれば、このタロウの着ぐるみが焼けて使えなくなったという都市伝説は、バルキー星人の影響があると言われている。
バルキー星人は全身が暗いものの見た目がウルトラ戦士に非常に酷似しているのだが、これは後番組の『ウルトラマンレオ』の没案を流用したデザインであると言われている。このバルキー星人は最後に焼かれて倒されてしまうのだが、そのようなイメージが「タロウの着ぐるみが燃えた」という話に繋がったのではないかと考えられている。
だが、当のウルトラマンレオではウルトラ兄弟が全員揃う回があるにも関わらず、そこでもタロウが登場していないという。焼かれてしまったかはさておき、何らかの事情でタロウが使用できなかったということは事実なのかもしれない。
また、タロウにはいわく付きの回と呼ばれるものも存在する。第14話『タロウの首がすっ飛んだ!』という物騒なタイトルの回では、閻魔大王を模した怪獣エンマーゴが登場し、その手に持った剣によってタイトル通りタロウの首が刎ねられるという衝撃的な内容となっている。因みに、これはタロウの捨て身作戦であり、その後は地蔵たちの力を借りてエンマーゴを見事倒すこととなった。
この回の放送後、本編スタッフのロケバスが事故を起こし新聞沙汰になったという話もあるが、なんとこの回そのものが欠番扱いされているのではないかという噂があるという。1993年にTBSでの最後の再放送がなされた際にこの第14話が放送されなかったと言われているが、内容的に規制がかかったことが原因であるとも考えられている。
一見すると、前述の事故との因縁も頭をよぎらせてしまうが、実のところこの「欠番・封印」についての話は、それ自体が真偽不明であるという。その後に得率局への移行によって再放送はなされているようだが、そこでも第14話が放送されたか否かについては定かではなく、奇妙な都市伝説として語られている。
因みに、この第14話の脚本を担当した石堂淑朗は、『帰ってきたウルトラマン』第40話「冬の怪奇シリーズまぼろしの雪女」、『ウルトラマンレオ』第50話『恐怖の円盤シリーズレオの命よ!キングの奇跡!』も担当しており、いずれもウルトラの兄弟が体をバラバラにされるというショッキングな描写がある。
こちらはこちらで、また別の意味でのいわく付と言えるかもしれない。
【参考記事・文献】
エンマーゴ
https://x.gd/2ViX9
変えられたウルトラマンタロウの最終回
https://x.gd/KUmgi
松平健は昔ウルトラマンタロウの最終選考で落選していた!
https://x.gd/DZ82q
ウルトラマンタロウ
https://x.gd/jhBqR
第198回『ウルトラマンタロウ』「えんま怪獣エンマーゴ」
https://x.gd/BoqUm
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【文 ZENMAI】