日本などをはじめとしてあらゆるものが韓国起源であると主張されている韓国起源説と呼ばれるものの中に、「剣道の起源は韓国である」というものがあるという。
剣道といえば、「剣の理法を修練することで人間形成をするための武道」として認識され、日本に古くから存在する。オリンピック競技にもなっている柔道では、勝者がガッツポーズを取ることも珍しくは無くなったが、剣道においては現在でも極めて厳しい礼法が守られており、ガッツポーズをした選手の勝利が無効になったという事例もある。
さて、韓国起源説における剣道は、大まかに言うと次の通り。
韓国には、「コムド」と呼ばれる剣術が存在しており、それが日本へ伝わったのが剣道となった、というものだ。日本側からの常識からすると、韓国のコムドの起源は日本統治時代に韓国へ伝わった剣道であるとされており、その剣道の競技的な面を特化させた韓国流剣道をしてコムドは成立したとされている。
この剣道韓国起源説は、2010年代に入ってから表立つようになった主張である。
ところが、一方でこの剣道韓国起源説の出所が、実は日本側だったのではないかと言われていたことがある。いわば、「剣道韓国起源説」の起源が日本だったというものだ。
2013年ごろの検証によると、大韓剣道協会の説明では、「日本の剣道のルーツが韓国にある」とは一言も言っておらず、「コムドは韓国に古くから存在する」「コムドと日本の剣道は別物」という説明がなされているという。中には、韓国人の知人に問い合わせたところ、彼らからはほぼ剣道が韓国起源だとの主張は見られず、関心が殆ど無かったという意見もある。
このような記事が当時少なからず発表されたことによって、剣道韓国起源説は日本側から広まった”デマ”だったのではないかという推測が生まれるようになった。
だが、これについては少々注意しなければならないポイントがある。先の大韓剣道会は、確かに剣道は日本が考案したものであるとは認めているというのだが、起源の主張を全くしていないかというと実はそうではない。実際のところ、彼らの主張は「剣道は日本考案だが、それは韓国の剣術をスポーツ化した亜種である」としている。
結局のところ、彼らの主張は”本物の”オリジナル剣道は韓国にあると主張しているも同然なのである。
大韓剣道会は、かつて全日本剣道連盟から公式に起源主張に対する抗議を受けていたことから、「剣道は日本考案」の部分のみを大きく宣伝し、その結果「剣道韓国起源説は日本側のデマ」というような事態が発生したのではないかと考えられている。
なお、コムドを剣道の起源として主張している理由は、将来的にオリンピックの種目となり、”オリジナル”であるという箔を付けたいためだとされている。さらに、剣道の起源をコムドとして展開する動きは既に当時から見られており、フランスで開催されているジャパンエキスポにて、なかば強引に共同参加している韓国が「コリアンコネクション」というイベントにおいて、コムドの実演を展開するといった動きが見られていた。
なお、この際には「忍者」も韓国起源であるという宣伝がされ、忍術実演なるものがイベントで披露されていたという。
「剣道韓国起源説」は明確に韓国の団体から発信され展開されたものであったにもかかわらず、彼らの思惑通りに一部強調された「剣道は日本考案」という点を信じた人々によって、日本側が拡散したデマだったと主張する意見が生まれるに至った。これが、この奇妙な騒動の顛末であったようである。
それにしても、そこまでして自分たちの(韓国)文化を上位に補完させたいという執着には、毎度ながら驚かされる。
【参考記事・文献】
剣道に関連した韓国起源説の誤解とその真相
https://oogchib.hateblo.jp/entry/ar1089737
「剣道韓国起源説」は日本起源か？
https://togetter.com/li/487606
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【文 ナオキ・コムロ】
画像 ウィキペディアより引用
