ピラミッドにまるわる不思議な話は尽きない。それ自体がどのように、そして何のために作られたものであるのかとはじめとして、エジプトだけではなく日本や世界各地でピラミッドと思しきものが存在しているとされていることや、南極た深海、果ては火星にも存在するといったものなど話題に事欠かない。
エジプト遠征をしたナポレオンがピラミッドパワーを体験したというような、ピラミッドにまつわる奇妙な逸話も実に多く語られており、さらにはピラミッドは人類の予言を示しているというような構造にまつわるものもある。一筋縄ではいかないのがピラミッドの魅力と言ったところだろう。
ギザの大ピラミッドは、ギザの第4王朝に築かれた三大ピラミッドの中でも最大のピラミッドであり、「クフ王のピラミッド」とも呼ばれている。上記のような様々な逸話や推測が多くなされているこのピラミッドであるが、なんとも驚くべき事実が発見されたことで話題となった。
きっかけとなったのは、2011年にYouTubeに投稿されたある動画であった。その動画では、ギザの大ピラミッド内の大回廊が位置する中心部の座標が「北緯29.9792458度」に位置していることが示されていたが、実はこの数値は”光の速度”である「毎秒299,792,458メートル」と、9桁が全く一致していたのである。
ギザの大ピラミッドが建てられた第4王朝は紀元前2500年ごろであるとされているが、国際度量衡総会によって、真空中の光速が上掲のメートル毎秒で定義されることが決められたのはわずか数十年前の1983年のことである。
緯度や経度については、紀元前2世紀ごろにギリシアでは既にその概念が生まれていたものの、現在確立されている(グリニッジ天文台を通る子午線を緯度0度とする)方式は1884年にワシントン会議で決定されたものだ。
この大ピラミッドの座標および光速の数値の一致は、古代エジプト人の高度な文明力を示すものであると信じ、主張する者を多く生み出した。だが、その一方で懐疑的な主張も多々見られる。
そもそも、エジプトでメートル法による測量が公式に行なわれるようになったのは18世紀になってからである。当時の古代エジプトにおいて使用された単位は「キュビット」と呼ばれるものであり、本当に古代エジプト人がメートル法を知っていたのであれば、なぜわざわざキュビットを採用していたのかという謎がある。
また、数値の一致についても、「5~6桁の一致」は異常なことではなく、偶然一致したにすぎないとの意見もある。要するに、何らかの個所から割り出される数値と、公にされている決定された数値とで同じ(似た)数字の羅列が見られれば良いということだ。考えてみれば、座標と光速の数値が同じであったところで、その両者がどのような関係にあるかは明示されていない。
ギザの三大ピラミッドの配置が、オリオン座の配置と酷似しているという話も耳にしたことのある人は多いだろう。古代エジプト人の硬度が測量によって意図的に配置されたのではないかとも囁かれていたが、オリオン座の概念がエジプトに伝わったのは4世紀に入ってからであり、さらにダメ押しで、ピラミッドの大きさと光の強度も異なっているということから、現在では後世のこじつけにすぎないと見なされている。
こうした想像だにしない事態や現象との関連が示唆されるのも、ミステリアスな魅力を有するものの宿命なのだろうか。
【参考記事・文献】
ギザの大ピラミッドと光速度の数値が完全一致しただと!?古代エジプトの謎と不思議
https://x.gd/hslIF
ピラミッドの北緯と光の速度が同じ数値なことが判明【ちょっと改訂】
https://ameblo.jp/rubvtan/entry-12366546187.html
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【文 ZENMAI】
画像 ウィキペディアより引用