犬神とは、主に四国を中心に伝わる憑き物の一種である。現代ではほぼ廃れたと言われているが、犬神筋いわゆる犬神が憑いている家系と呼ばれるものや、犬神使いがいるといったような俗信は今でも残され、一部ではまだ信じられていると言われている。
アトラスラジオにおいても「犬神に憑依した祖母が拝んでいる最中に数メートル吹っ飛んだ」という話や、「犬神が理由で離婚裁判が起こった」といった話がリスナーから寄せられ紹介をしている。
犬神はどのように作られるのか。一般に知られる方法としては、子犬を子供のように可愛がり、土に埋めて御馳走を目の前に置き、空腹により必死で食らいつこうとしているところでその犬の首をはねるというものだ。動物好き、特に愛犬家にとってはあまりにも残虐な作法によって作られる。
そうして犬神は、主人の思うように操ることができるのだという。ただし、この作法はその中のごく一部でしかなく、より詳しい内容は一般に知られていないようである。
さて、タイトルにもある「犬神の頭蓋骨」とは一体何なのか。これは山口敏太郎が、代々犬神筋と呼ばれていたとある家で発見されたものであるという。しかも、その発見された事情があまりにも奇妙なのだ。
ある時、その家で「最後の犬神使い」と呼ばれた高齢の女性が亡くなった。老女の遺体はその後、火葬によって遺体が焼かれることになったのだが、焼いた遺体を見てみると、なんと人間のものとは明らかに異なったもう一つ別の頭蓋骨が出てきたという。
問題のその頭蓋骨は、人間のものに比べると小さく、また形状から見ても小動物のようにも見えたという。親族たちはこの不可解なもう一つの頭蓋骨を目の当たりにし、これはその老女の犬神の骨だったに違いないと考えたそうだ。
呪術によって生み出された存在が、物質的に現れたという実に不可解な事象ではあるものの、呪物と呼ぶには申し分無い存在であることには違いないだろう。
そこから譲り受けた「犬神の頭蓋骨」は、その後に山口敏太郎が譲り受けることとなり、現在は千葉県銚子市の大内かっぱハウス2F「妖怪博物館」にて展示がなされている。そんな不思議な犬神の頭蓋骨と一目見てみたいという方は、是非足を運んでその目で確認して欲しい。
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【文 黒蠍けいすけ】
(画像:大内かっぱハウス2F妖怪博物館の展示より)
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