高館(たかだて)山は、山形県鶴岡市金沢にある標高約273mほどの山である。省内海浜県立自然公園の一部に指定され、森林浴の森百選にも選ばれたことのある観光名所として知られている。
その頂上には加茂港、湯野浜温泉、庄内平野、鳥海山などを望むことができる展望台が建っている。しかし、一方でこの一帯は自殺の多発地帯としての顔も持ち、山形県屈指の心霊スポットとの呼び声も高い。
山自体に噂が絶えない中で、特に幽霊の目撃などが多く囁かれているのが先の展望台だ。高さおよそ20mあると言われる展望塔は、1962年に竣工されたコンクリート造りの建物であり、内部は螺旋階段となっている。
ただ、建物内には灯が全く用意されておらず、またコンクリートの経年劣化もあってか見た目はほぼ廃墟と言っても良いほどに荒れており、頻繁に人が訪れているようにはとても見られない様相をしている。各所に落書きのようなものも見て取れ、2023年3月には窓ガラスが破損しているのが確認されたために一時的に立入禁止となっていた(2024年現在は再開しているようである)。
展望台の心霊現象として囁かれているものは、自殺者の霊が主として語られる。螺旋階段を登っていく男性の幽霊を見たというものから、特に有名なものでは首の折れ曲がった女性の幽霊が現れるといったかなり刺激の強い話もある。これらの幽霊は、その様子などから展望塔からの投身自殺を思い起こさせるものとなっている。
この他、窓から外を眺める幽霊がいる、壁に顔が浮かび上がる、中から呻き声や足音などが聞こえてくるなどといった噂も報告がなされているという。なお、「ほんとにあった怖い話」で2008年夏に放送された「廃屋の螺旋」というストーリーの舞台となったのはこの展望台であったと言われている。
一帯が心霊スポットとなっている理由として説かれているのは、一つには高館山が大宝寺氏の居城「尾浦城」が築かれた場所であり、合戦の舞台となって多くの人々が命を落としたことに起因しているのではないかとも言われている。
また、頂上付近にはテレビ塔が2本存在しており、それが磁場の乱れを引き起こしているために霊そのものが集まっている場所なのではないかという風水的な解釈もなされているようである。真偽のほどは定かではないが、真夜中ではなく日中に訪れて絶景を楽しむにとどめた方が最善であると言える。
因みに、この展望台は、そこに到達するまでの道が非常に狭く曲がりくねっている。そのため、対向車は来ない筈だと思い込んで油断していると衝突、あるいは崖下への転落という物理的な危険性は実際にある。現に、いびつな形のままとなったガードレールも散見されるということから、何よりも車両事故には充分気を付けたいところだ。
【参考記事・文献】
高館山(1)
https://shinrei-spot.com/takadateyama1.html
【心霊スポット】高館山展望台に行ってみた
https://x.gd/lyn8r
高館山の展望台 – 山形県の心霊スポット
https://ghostmap.jp/spotdetail.php?spotcd=438
第17回高館山展望台 (山形県)
https://www.gibo-kantei.com/story/c/c017/
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【文 ZENMAI】
画像 ウィキペディアより引用