知行寺山(ちぎょうじやま)稲荷大権現は、香川県三豊市山本町に存在する廃神社(廃寺)である。通称「いもんた」と呼ばれており、それはかつての地名である芋谷(いもたに、「芋ノ谷」表記の説あり)が転訛したものであるとか、「もんた」が「帰る・戻る」を意味する方言であることから「居もんた=集会所」のことを指しているなど、いくつか説が唱えられている。
いもんたは、竹林の中に建つ歪んだ鳥居とその先にある対の白狐像が雰囲気を醸しており、その先にある赤い鳥居と前述のような集会所らしき建物が、廃墟化し内部が崩れた状態で残されている。
いつ頃から存在し、いつ頃から廃墟化したのかはわかっていないが、その名称や扱いなどからかつては神仏習合であったものが明治ごろの神仏分離で以降は寺として扱われていたのではないかとの推測もなされている。また、現状廃墟となってしまったのは、管理者が高齢で亡くなってしまったために、手つかずになったのだと考えられている。
いかにも心霊スポットとして紹介されるに十分すぎる場所ではある。心霊現象としては、「機械の音や声が聞こえる」といったものから、「上半身の無い幽霊が出没する」という少々ゾッとするようなものまで様々だ。しかし、実はいもんたがこれほどに心霊スポットとして広まったきっかけはネット掲示板での書き込みからであった。
もみさんぽ2024
“知行寺山稲荷大権現(神田長瀬)
正一位稲荷。本殿と拝殿がある。創設は不詳であるが、「芋の谷のお稲荷さん」と呼ばれ、昔から付近の人々の尊信を集めている。五社大明神を祀る。”山本町誌より
香川県三豊市山本町
2024/5/5#三豊市 #香川県 pic.twitter.com/0qNmmlfE3e— もみさんぽ (@momisanpo) May 5, 2024
ことの発端は、5ちゃんねる(当時2ちゃんねる)にて投稿された「最強のスポット見つけてしまった。香川県の『いもんた』知ってる人いる?」というスレッドによる。その書き込みによると、いもんたはH家と呼ばれた一族が関係していた場所であったという。しかし、そのH家は「呪われた一族」とされており、一族全員が自殺し滅亡してしまったのだという。イニシャルのHがどのような姓であったかは定かではないが、細川家あるいは北条家といった推測がなされている。
このような掲示板の情報に始まり、のちに有名動画投稿者が取り上げたことで瞬く間にいもんたの知名度が高まったと言える。とはいえ、この書き込み自体は創作である可能性がきわめて高く、また「いもんた」についても本当に当地の方言に類する言葉であるかの真偽も実は不明なままだ。これも真偽不明な情報ではあるが、焼身自殺があったとも言われている。
現時点では、前述した掲示板の書き込みもいつ頃投稿されたのか確認ができなくなっている。経緯から察すれば、ネットの普及に伴って形成された新しいタイプの心霊スポットと言えるのかもしれない。
【参考記事・文献】
香川のいもんたが危険といわれる理由!呪われた一族がいた?
https://poltergeist.jp/imonta-in-kagawa/#11
アオホラ心霊/廃墟マップ いもんた(知行寺山稲荷大権現)
https://archiveofhorror.com/ghostspot/map/shikoku/imonta/
香川県最恐心霊スポット いもんた
https://ameblo.jp/kojitukekun/entry-12697409477.html
いもんたの呪われた一族H家とは?方言や意味・由来を調査!
https://yumemirumama.com/imonta/
いもんた(知行寺山稲荷大権現) – 香川県の心霊スポット
https://ghostmap.jp/spotdetail.php?spotcd=1968
【アトラスニュース関連記事】
笠間稲荷に助けられた坂本九親子
【アトラスラジオ関連動画】
稲荷様によって願望が叶えられた。お稲荷様から求められる物は大きい ATL5th21
【文 ZENMAI】