現在科学者らの間で、「地球上で大規模な災害が発生した際に生命を保存するための特別な施設」を月に建設する計画が提案されているという。
例えば現在、ノルウェーにあるスヴァールバル地球種子保管庫には世界各国から集められた100万以上の種子サンプルが保管されている。
しかし、戦争や災害など最悪の事態が起こった場合、これでも生命を保管、維持するには十分だとは言い切れない。
事実、スヴァールバル諸島の種子保管庫は最近洪水に見舞われたし、ウクライナの種子保管庫はロシアとの戦争中に破壊されてしまった。
スミソニアンの国立動物園・保全生物学研究所のメアリー・ヘイゲドホーン博士は、「もし(スヴァールバルに)人がいなかったら、洪水で生物保管庫が損傷していたかもしれません」と語る。
この問題に取り組むため、科学者たちは現在地球上ではなく、月面に生物保管庫を建設することを提案しているのだ。月面であれば現状、少なくとも人為的な破壊からは遠ざけることができる。
また月の保管庫を太陽にさらされることのない深いクレーターの中に置することで、風雨による損傷を恐れることなく、実質的に無期限に機能することができるだろう、と考えられている。
とはいえ、実際に月に保管庫が建設されるまでには、最低でも何十年もかかるかもしれない。また月では地球上とはまた別のリスクも生まれるだろう。
SFの世界で描かれるような施設が近い将来、本当に月に建造されるのか、期待していきたいところだ。
Scientists propose lunar biorepository as ‘backup’ for life on Earth https://t.co/TKtvirQWEU
— Guardian Science (@guardianscience) July 31, 2024
(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)