妖怪・幽霊

稲川淳二も訪れた!不思議なデザインの廃墟、室戸市「スカイレスト・ニュー室戸」

スカイレスト・ニュー室戸は、高知県室戸市室戸岬町にあるレストラン及び催事場の跡である。内部が螺旋階段になっている3本の巨大な柱が並び、4階建てのうち2階部分を吹き抜けの展望スペースと、特殊な作りをしており、それにより建物の外観が独特なデザインであることからマニアの間でも県内有数の廃墟となっているという。

1972年7月18日、スカイレスト・ニュー室戸は「ホテルニューむろと」系列のレストラン等複合施設として総工費1億2000万円をかけて開業された。水平線を180度眺望することができる好立地であり、収容人員400人、大型バス20台に乗用車100台分の駐車スペースが設けられていたが、1978年ごろにはすでに閉業していたと言われている。

ほとんど言及された文献がなく、90年代は電話帳にまだ掲載されていた、地図に「展望台」とのみ表記されていた、というように閉業以後の扱いについてははっきりと判っていない。2010年6月には系列元である「ホテルニューむろと」が廃業したことから、この時にすべての役目を終えたものと思われる。

90畳の宴会場や展望レストラン、結婚式場などに加え全館冷暖房完備というかなり広大で豪華な建造物であったこともあり、廃墟好きであれば一度は実物をこの目におさめたいと思うスポットだ。しかし現在では、劣化のために崩壊している箇所が非常に多く、崩落の可能性が高いために内部探索は非常に危険であると注意を促すサイトが多い。

さて、廃墟となればやはり「心霊スポット」の噂は自然発生のようにどこからともなく囁かれる。スカイレスト・ニュー室戸も例の漏れず心霊現象の報告がなされているという。おそらく、最も大きな影響を与えたのは『稲川淳二 恐怖の現場』シリーズにてこの場所が取り上げられたことだと考えられる。それがきっかけであるかは定かではないものの、「悪霊の巣窟になっている」との噂が囁かれているという。

話で聞かれるものとしては、誰もいない筈の場所で何者かの気配がする、どこからともなく声が聞こえてくるといったものだ。廃墟内を歩いていると背後からハイヒールの音が聞こえ、髪を乱した白いドレスを身にまとった女性が現れるというものもある。また、とても見つけにくい場所に地下室への階段があり、そこが異様な空気に包まれているといった報告もあるようだ。

スカイレスト・ニュー室戸は、内部が営業当時の設備をそのまま残していること、何より6年と言う短期間で営業を終えてしまった。こうした点は、村系の都市伝説でも聞かれる、何らかの事情で村人が一斉に去って(姿を消して)しまったというような、何らかの曰くを想起させるに十分であると言えるだろう。

その規模から、かつては多くの人々が賑わっていた場所であったと思われるが、そのイメージの反動も現在の凋落ぶりに一層の雰囲気を醸しているのかもしれない。

【参考記事・文献】

高知県の心霊スポットとして有名な「スカイレストニュー室戸」
https://media-dp.com/%e3%82%aa%e3%82%ab%e3%83%ab%e3%83%88/12253
人の気配や声が聞こえる⁉高知県の心霊スポット『スカイレストニュー室戸』
https://kaii-shiryoukan.com/2023/06/15/post-640/
スカイレストニュー室戸
https://shiori-tabi.jp/spots/21302
スカイレスト・ニュー室戸
https://haikyo.info/s/19.html
スカイレスト・ニュー室戸
https://haunted-place.info/4997.html

【文 ZENMAI】

画像 https://x.com/Pass1k27