※以下は2018年12月の記事の再掲載です。
≪大都会東京にUFO現る-!≫
こんな衝撃的な見出しが読売新聞に掲載されたのは1982年(昭和57年)11月9日のことである。
記事によると11月8日の午後3時頃、千代田区、江東区などの都心部で上空で謎の黒い物体が目撃された。
謎の飛行物体は西風に乗ってゆっくりと移動していたようで多くの東京都民が目撃していた。
今の時代ならドローンなど無人航空機などが疑われるところだが、1982年にそんなものはない。
しかも、その未確認物体は三角形から四角形に姿を変えており、飛行機ではないようだ。目撃した人は大人から子供まで「UFOだ!」と大騒ぎ。
読売新聞の本社には目撃者から「火星人が攻めてきた!」との電話が相次ぎ、最終的には陸上自衛隊のヘリコプターが立川基地からスクランブル発信する騒ぎとなった。
さて、このUFOの正体であるが、同日付の新聞で明らかになっている。
記事によると、UFOは11月8日の午後5時頃に墨田区内のマンション屋上に引っかかているのが発見され地元警察が回収した。
UFOの正体は市販のビニール袋を張り合わせた風船で、製作したのは東京都国立市にある一橋大学の学生が学園祭のために作ったソーラー・バルーン(熱気球)で、本来は11月5日~7月に行われる一橋大学の学園祭で飛ばされる予定だったのだが、悪天候により6日しかあげられなかった。
しかし学園祭が終わった翌日「せっかく作ったのだから」と有志が集まり、もう一度バルーンを飛ばそうとした祭、バルーンと地上を結んでいた紐が切れてしまい都心まで飛んでいってしまったのだという。
「都心にUFO現れた!」
騒動を知った学生たちはすぐに「僕たちのバルーンだ!」と直感し立川署へ連絡し、「UFOとか世間を騒がしてしまい申し訳ございません」と謝罪したという。
(文:穂積昭雪 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)