世界で初めて「円盤状の謎の飛行物体」が目撃された「ケネス・アーノルド事件」。ここから空飛ぶ円盤の存在やUFOという呼称が広まるきっかけとなったUFO史の出発点ともいうべき事件である。
だが、実は彼がUFOを目撃するより3日早く、謎の円盤が飛来していたという事件が起きていたのだ。しかも、その円盤は金属片や溶岩のようなものを目撃者に向かって投下してきたという!
この証言が正しければ、我々地球人は既に宇宙人?に襲撃されていたことになるのだ。
事件が起きたのは1947年6月21日、アメリカはワシントン州モーリー島付近の海上でのこと。目撃者である巡視員が二人の乗組員と彼の息子とともにモーリー島近海をパトロール中、6機のドーナツ型飛行物体が現れた。その飛行物体は全体が金属製であり、6機のうち1機は故障していたのか不安定な動きをしていたという。
そして、その1機の中央部から白い金属片と溶岩に似た黒い物体が放出された。この溶岩に似た物体が海に着水すると、大きな音と共に激しく湯気が立ち上ったという。彼らは一度モーリー島に避難した。そこの浜辺で先ほどUFOが吐き出したものと同じ物体とみられる黒い物体を採集、港へ戻ったという。
次の日の朝、彼の家に全身黒尽くめの人物が訪れる。黒ずくめの人物は彼に「昨日見たことは誰にも言ってはいけない」と警告して立ち去った。そう、この事件はUFO関連の事象が起きると警告に現れる謎の人物「メン・イン・ブラック(Men in Black、MIB)」が初めて確認された事件でもあるのだ。
世界初の空飛ぶ円盤目撃事件である、ケネス・アーノルド事件が起きたのはさらにその2日後であった。
なお、この体験をした人物の元までアーノルド氏は出向き、面会している。きっかけはアーノルド氏の元に彼から「自分も同様のものを目撃した」との手紙が届いたからなのだが、知人であるアメリカ空軍情報担当官と共に彼の元を訪れると、急に態度を豹変させて話をはぐらかし始め、拾った金属片も存在しないと主張したという。
それでもアーノルド氏は別の金属片を預かり、空軍で分析することになったのだが、輸送機が原因不明の墜落事故を起こして金属片も行方不明になってしまったという。
謎の多く、真実が闇に包まれてしまった感の強い「モーリー島事件」だが、よく情報を確認していくと、明確な証言を残しているのが事件の中心となった目撃者ただ一人であったことが解る。
実はケネス・アーノルド氏の元には、円盤目撃事件の報道があった直後から「自分もよく似た飛行物体を目撃した」という証言が複数寄せられていたという。その中には明らかに作り話と思われるものも多数含まれており、中でもモーリー島事件は物証があるということで調査を行う事が決定した事例だったのだ。
このモーリー島事件も、事件に便乗した作り話だったのだろうか? 今となっては真実は闇の中である。
しかし、この事件もまたUFO史の中では非常に重要なものである事は確かだろう。
(飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)