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祖霊からのお告げ?漫画家「つのだじろう」が体験した霊的火事とは

漫画『恐怖新聞』『うしろの百太郎』などの作者として知られる漫画家、つのだじろう。デビュー当初は少女漫画誌での連載や、少年漫画誌にてギャグ漫画を手掛け、梶原一騎原作の『空手バカ一代』にて劇画調の作品を描くといった活躍が見られたが、オカルトへの関心を高めたことで研究する立場としての活躍も広め、冒頭にあげたような怪奇漫画作品によって一大ブームを巻き起こすオカルト漫画の第一人者となった。

彼の怪奇漫画・ホラー漫画作品において、単に恐怖を煽るようなものとは一線を画したその作風は、漫画家であると同時に研究家であったことによる彼の深いオカルト知識に根差したものであると高く評価されている。

元々、オカルトに傾倒するようになったきっかけは、漫画デビュー間もない頃に東京の両国でオレンジ色に光るUFOを目撃したことに端を発するという。この他、彼は霊的ともいえる数々の不思議な体験をしているというのだが、その象徴的な出来事であったと言われるのが自宅兼仕事場の火事であった。

当時、彼はつのだプロダクションを解散して「秦(しんの)企画」という新会社を立ち上げたばかりであった。「秦」(しんの)とは、彼の父方の家系の苗字であり、明治時代に角田家へ祖父が子どもと共に夫婦養子として入籍して角田姓になり、のちに養子関係が解消されても戸籍を戻さなかったために角田姓のままになったのだという。老齢の父親からこの事実を聞いたつのだじろうは、孝行の意味で会社名に「秦」を入れたのだそうだ。

ある日の深夜0時を回った頃、彼が一階で仕事をしていると突然部屋が停電になってしまった。不思議なことに停電になっているのは自分の仕事部屋だけであり、他の部屋の電気は何ら異常がなかった。ブレーカーを点検しようと移動すると、何やら玄関のほうから異音がすることに気が付き、慌てて駆け付け納戸を開けると既にそこでは炎が上がっていた。

彼は二階の家族に呼びかけ全員が避難、幸いにも皆無事であったが結果として自宅は全焼してしまったのである。仕事道具はほぼ燃えてしまったが、一方で彼が大切にしていた貴重品だけは火の手を免れていたという。

火事が起こったのと同じ日。つのだじろうの母親が温泉に行っていた際にそこで奇妙な体験をした。夢枕に立ったというその存在は、「祖霊である」と称し、つのだじろうについて「秦と名乗って仕事をすることは立派であるが先祖を大切にしていない」と告げ、つのだじろうがすべき行動を伝えてそのまま消えて行ったという。

このことを知った彼は、火事とこの夢枕が同じ時刻であったこと、何より火元と考えられていた納戸に火の気が全く確認されなかったことから、「霊的火事」と考えたという。

この夢枕に現れた祖霊については秦の始皇帝であるとされており、始皇帝の子孫であることはつのだじろう本人が自認していることであるという。この他、彼が中国の始皇帝陵に参詣した際に、秦を滅ぼした軍師である張良の霊に憑依されたという体験など、心霊現象を数多く体験することになったという。

【参考記事・文献】
【恐怖新聞】作者つのだじろうの現在!つのだひろとは兄弟なの!?
https://maipenraika.com/kyofushinbun/2402/
心霊漫画家つのだじろうが体験した祖先にまつわる不思議なお話
https://x.gd/TcLss

【アトラスラジオ関連動画】

【文 ZENMAI】

画像『つのだじろうの黒い本 (リイド文庫 エンターテイメントシリーズ)